緊急性低い手術延期など緊急要請 集中治療室確保で 神奈川県

新型コロナウイルスの入院患者が急増し、特に重症の患者が入る集中治療室がひっ迫していることから、神奈川県は2日、県内で患者を受け入れている医療機関に対し、緊急性が低い手術を延期するなどして、集中治療室の数を確保してほしいと緊急の要請を行いました。

神奈川県は先月14日に、すぐに患者を受け入れられる県内の病床の数を1100床にまで増やすよう医療機関に要請しましたが、半月以上たった今も770床余りにとどまっています。

このうち集中治療室など重症患者用の病床は88床で、使用率は60%近くに上っています。

2日、県医療危機対策統括官を務める阿南英明医師は、県内で患者を受け入れているおよそ100の医療機関の担当者とリモートの会議を開きました。

この中で阿南医師は「今の状況が続けば重症患者の病床が不足するおそれがある」として、医師の判断で緊急性が低い手術を延期するなどして、コロナ対策に使える集中治療室を確保してほしいと要請しました。

神奈川県では来週から、症状が軽いコロナ患者の入院を絞り込む新たな基準の運用も始めることにしていて、阿南医師は「通常の医療に影響が出ることは避けたかったが、これからコロナの患者がさらに増える可能性も考え、重症患者用の病床が不足する事態を回避するため協力をお願いしたい」と話していました。