中央道 笹子トンネル事故から8年 遺族らが犠牲者を追悼

山梨県の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故から2日で8年です。現場近くでは事故が起きた時刻に合わせて遺族などが犠牲者を追悼しました。

平成24年12月2日、山梨県大月市の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、4台の車が巻き込まれて9人が死亡、3人がけがをしました。

事故から8年となった2日、遺族や中日本高速道路の役員がトンネルの出入り口付近に建てられた慰霊碑を訪れ、事故が起きた午前8時3分に黙とうをささげたあと花を手向けました。

このあと、近くのパーキングエリア内にある慰霊碑の前に移動し、追悼慰霊式が行われました。

例年は、国土交通省や県の機関などの関係者も参列しますが、感染拡大を防ぐためことしは見送られ、参列したのは、去年の2割ほどの20人余りとなりました。

慰霊式では中日本高速道路の宮池克人社長が「豊かで充実した皆様の人生を奪うという、あってはならない事故を起こしてしまったことを深くおわび申し上げます。事故後に入社した社員は全体の3割を占めるようになりましたが、事故を決して風化させず、安全第一を考える人材の育成に今後も努めてまいります」と述べました。

事故をめぐっては、業務上過失致死傷の疑いで書類送検や刑事告発された、中日本高速道路と子会社の当時の幹部など10人が不起訴になったあと、検察審査会が点検や保全業務にあたっていた職員2人については「不起訴は不当」と議決し、再捜査が行われましたが、ことし4月に改めて不起訴となり、一連の捜査は終結しています。

検察は2日午後、遺族に不起訴の理由などについて説明するということです。

松本玲さんの父親「残念な8年間」

事故で亡くなった松本玲さんの(当時28)父親の松本邦夫さんは「事故から8年がたっても娘のことを思い出さない日はない」と述べました。

そして、検察の不起訴処分が確定し捜査が終結したことについて「事故の原因が明らかにされないということが確定したということで、残念な8年間だと感じている」と話していました。

石川友梨さんの父親「悔しい」

事故で亡くなった石川友梨さん(当時28)の父親の石川信一さんは「事故から8年がたったが、どうしてという疑問符のみが強くなり悔しくてなりません。なぜ9人の命が奪われたのかいっこうに明らかにならない今、8年たっても、むなしさと切なさと悔しさが込み上げるばかりです」と話していました。

森重之さんの父親「遺族への支援体制が欠如」

事故で亡くなった森重之さん(当時27)の父親の森和之さんは「遺族として、事故などの犠牲者に対する認識、原因究明のための制度や責任を追及する司法制度、さらに、遺族への支援体制が欠如しているとずっと感じています」と話していました。

小林洋平さんの父親「あっという間の気がする」

事故で亡くなった小林洋平さん(当時27)の父親の小林寿男さんは「『洋平安らかに』という気持ちで毎日線香をあげていますが、あっという間の気がします。検察による一連の捜査は終わりましたが、この事故で何が問題だったのかということを、世の中に知らせることが事故の再発防止につながると思っています」と話していました。

中日本高速道路社長「安全な道路提供へ」

慰霊式のあと、中日本高速道路の宮池克人社長は「国の方針に基づいて安全のための点検を行っていて、これからも安全な道路を提供できるよう取り組んで行く」と述べたうえで、事故の教訓を社員に伝えるために建設中の研修施設について「グループ全体の社員のために活用するつもりで、一般への公開は今後検討していく」と述べました。

一方、遺族から長年、事故の原因について説明を求められていることについては「事故調査委員会の結論を説明しながら、ご理解を頂けるよう努めている」と述べました。