コロナワクチン円滑接種へ改正予防接種法が成立 参院本会議

新型コロナウイルスのワクチンを円滑に接種する体制を整備するための法律が、参議院本会議で全会一致で可決・成立しました。

改正予防接種法は、ワクチンの接種を国民の「努力義務」と位置づけ、接種は市町村が行い、費用は全額国が負担するとしています。

また、健康被害が確認された場合は、医療費の支給などを行うほか、健康被害を受けた人に製薬会社が賠償した場合は、国が損失を補償することも盛り込まれています。

改正案は、2日の参議院本会議で採決が行われ、全会一致で可決・成立しました。

ワクチンの円滑な接種に向けて政府は、ワクチンの冷凍保存などに必要なシステムを整備するとともに、自治体に説明会を開くことにしていて、来年前半の接種の開始を目指して準備を進めることにしています。

また、高齢者や基礎疾患がある人、それに医療従事者を優先的に接種する方針です。

一方、2日の本会議では、入国する際の検疫で感染が確認された人に対する「隔離」の措置などを来年2月以降も実施できるようにする改正検疫法も可決・成立しました。

加藤官房長官「円滑に接種できるよう体制整備進める」

加藤官房長官は、午前の記者会見で、「政府としては、来年前半までに、すべての国民に提供できるワクチンの数量の確保を図るべく、厚生労働省を中心に引き続き取り組んでいく。現時点で、ワクチン接種の開始時期は、予断をもって申し上げることは控えるが、承認された際に円滑に接種が実施できるよう、改正法に基づき、地方自治体や医療の関係者などとも緊密に連携しながら、しっかりとした体制整備の構築を進めたい」と述べました。

また、加藤官房長官は、「ワクチンについては、感染予防効果や副反応のリスクも含め、正しく知識を持っていただくことが重要で、厚生労働省で国民に対する周知や広報をしっかり行ってほしい」と述べました。