コロナ禍 本格的な冬の到来 レジャーやイベントにも影響

きょうから12月、本格的な冬を迎えます。この冬は西日本を中心に平年より気温が低くなると予想されていて、この時期ならではのレジャーやイベントが楽しみになる時期ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が暗い影を落としています。

気象庁によりますと、この冬は西日本を中心に平年より気温が低くなる見込みで、12月以降、冷え込みが厳しくなると予想されています。

本来なら、冬ならではのさまざまなレジャーやイベントが楽しみになる時期ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が暗い影を落としています。

東京都内では例年、12月1日から始まる表参道のけやき並木を、およそ90万個のLED電球が彩るイルミネーションが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で取りやめられ、植え込みをライトアップするだけになりました。

また、渋谷区の代々木公園のけやき並木が、青い光に染まる毎年恒例のイルミネーションのイベントは、ことしは中止になりました。

そして、せっかくの「寒い冬」にもかかわらず、感染拡大の影響でオープンを断念したスケート場もあります。

埼玉県ときがわ町にある屋外のスケート場は、昨シーズン、台風19号の被害の影響で1日も営業できず、2シーズンぶりの営業を目指していましたが、万全の感染防止策をとるのが難しいことから、諦めざるをえませんでした。

一方、営業する判断をした各地のスケートリンクでは、貸し靴などの消毒を徹底したり、一度にリンクに入れる人数を減らしたりと、感染防止策を徹底しています。

ここ数年、暖冬傾向が続いたこともあり、冬のレジャーの関係者たちが待ちわびた「寒い冬」の到来ですが、期待どおりとはいかない冬になりそうです。

東京 表参道 けやき並木のイルミネーション行わず

東京 表参道では、例年、冬場にけやき並木のイルミネーションが行われます。

表参道にはとおり沿いに1キロほどにわたって、150本余りのけやきが植えられていて、取り付けられたおよそ90万個のLED電球が、とおりを彩る幻想的な光景は、東京の冬の風物詩になっています。

しかし、大規模なイルミネーションを行うと多くの人が集まることが予想されるほか、緊急事態宣言が出るなどして急きょ中止せざるをえなくなれば、資金を提供してくれるスポンサーなどに迷惑がかかることから、主催する地元の商店街振興組合はことしは、けやきのイルミネーションは行わないことにしました。

植え込みだけをライトアップするということで、電球の数は10分の1ほどに減るということです。

主催する「原宿表参道欅会」の鬼雄次郎事務局長は「例年、楽しみにしてくれる人たちには申し訳ないという思いもありますが、これだけ感染が広がる中、派手なイルミネーションを行うことはできません。規模は小さくなりますが、見た人が来年も頑張ろうという気持ちになってくれればうれしいです」と話していました。

埼玉のスケート場 厳冬も新型コロナで営業断念

埼玉県ときがわ町にあるスケート場「上サ・スケート場」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ことしの営業を断念しました。

このスケート場は毎年、12月に川から引いた水を河川敷に敷き詰めたシートの上に張り、自然の寒さで凍らせてつくります。

「天然のスケート場」として人気があり、例年、1か月余りの営業期間中に県内外からおよそ5000人が訪れるということです。

昨シーズンは台風19号による大雨で、スケート場に出入りするための橋が流されるなどしたため1日も営業できず、町は、ことしの営業開始に間に合うように復旧作業を進めてきました。

この冬は寒さが厳しくなると予想されており、暖冬傾向が続いたここ数年と違って、条件には恵まれていますが、営業は諦めざるをえませんでした。

利用客に貸し出す靴やヘルメットの消毒など、感染防止策を徹底するにはとても人手が足りないうえ、遠方からも多くの人が訪れることから感染拡大を防ぎきれないと判断したといいます。

今シーズンは、地元の小学生のスケートの授業が行われることになれば、そのときだけオープンする予定です。

このスケート場を運営している、ときがわ町体育協会スケート部の岩崎弥一郎部長は「営業してほしいという声もあったが、町は高齢者が多いこともあり、スケート場をきっかけに感染を広げるわけにはいかない。終息すれば、来年こそはオープンしたい」と話していました。

対策徹底しオープンしたスケート場も 横浜

横浜市港北区のショッピングモールにあるスケート場は、感染を防ぐための対策を徹底し、先月4日にオープンしました。

対策の1つは、定員を減らすことです。

昨シーズンまでは一度にリンクに入れる人数は40人まででしたが、これを32人に減らし、利用者どうしの距離を保てるようにしました。

また、貸し出す靴やヘルメットは、返却されるごとにアルコールで消毒しているほか、リンクを取り囲む手すりなど利用者が頻繁に触れる場所は、1時間ごとに消毒しているといいます。

さらに、貸し出す備品を通して感染が広がることがないよう、ヘルメットをかぶる際に使う使い捨てのヘアキャップを新たに用意。

また、靴を貸し出す際には新品の靴下を一緒に提供することにしました。

2人の孫を連れて訪れた50代の男性は「靴下まで用意しているとは驚きました。感染が心配なので、安心感につながってよい取り組みだと思います」と話していました。

このスケート場の運営会社、「ワック」の椎野公介さんは「入場できる人数を制限しなければならないのはくやしい思いもありますが、感染を防ぐためにはしかたありません。安心してスケートを楽しんでもらえるよう対策を徹底したい」と話していました。