新型コロナ 病院クラスター 転院で陰性の患者戻れず医療ひっ迫

北海道旭川市では、クラスターが発生した病院での感染拡大が収まらず、新型コロナウイルスの治療のために転院した入院患者が、陰性になったあとも元の病院に戻れず、医療体制をひっ迫させる一因になっています。地元の医師会は回復した患者に、新たな受け入れ先となる病院の紹介を始めました。

旭川市では、2つの総合病院でクラスターが発生していて、このうち「慶友会吉田病院」では、30日までに入院患者など合わせて155人の感染が明らかになっています。

旭川市などによりますと、この病院では感染した入院患者の多くがコロナ患者の治療を行う、市内にある地域の基幹病院に転院し、このうちおよそ20人はすでに回復して、検査で陰性になったということです。

しかし、もともと入院していた病院でのクラスターが収束していないために戻れず、基幹病院のベッドがふさがり、医療体制をひっ迫させる一因になっているということです。

こうした状況を受けて旭川市医師会は、回復した患者に別の民間病院を紹介する取り組みを始め、すでに3つの病院の合わせて23床を確保し、今後、回復した入院患者を順次、紹介していくということです。

旭川市医師会の山下裕久会長は「基幹病院は一般診療、救急ふくめて、ひっ迫している状況で場合によっては診ることができない。基幹病院の負担を減らせるよう、医師会としてバックアップしていきたい」と話しています。