「Go Toトラベル」大阪市出発の自粛 旅行会社対応に追われる

「Go Toトラベル」をめぐり政府が大阪市を出発地とする旅行の自粛を呼びかけたことを受けて、大阪市内の旅行会社ではすでに予約をしていた利用者に連絡をとってキャンセルするか確認するなど対応に追われています。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は27日夜、大阪市と札幌市に住む人に「Go Toトラベル」を利用した旅行を12月15日までは控えるよう呼びかけました。

これを受けて大阪 東住吉区にある旅行会社では朝から社長や従業員が出勤し、すでに予約をしていた利用者に電話をかけてキャンセルするかどうか意向を確認する作業に追われていました。

今回の自粛要請では12月7日までにキャンセルの手続きをとれば、利用者はキャンセル料を請求されず、旅行会社などの事業者は原則として代金の35%が国から補償されます。会社では11月末から12月15日までに出発する団体や個人の旅行の予約が21件ありましたが、28日、4件がキャンセルされたということです。

ただ、政府が大阪市を目的地とする旅行を「Go Toトラベル」の対象から一時的に除外したのに対し、大阪市を出発する旅行はあくまで自粛の呼びかけとしていることを伝えると、利用者の多くは困惑してすぐに決断できない様子だったということです。

旅行会社の藤原雅彦社長は「利用者に判断を丸投げすることになり、本当に心苦しい。また年末年始は需要が増える時期なのに、旅行する機運が戻るか心配で先行きが見通せない。自分たちのような中小の業者が経営を続けられるよう、行政には支援を検討してもらいたい」と話しています。