【データで読む】新型コロナ死者数 第1波のピーク時と並ぶ水準

新型コロナウイルスで亡くなったと発表された人の数は、NHKのまとめで26日は、前の日から8人増え、全国で29人となりました。これは、感染の第1波で、緊急事態宣言が出されていた時期の5月2日の31人に次いで多く、第1波でのピーク時と並ぶ水準となっています。

1週間での平均で見ても、26日までの1週間では16人となっていて、第1波のピークだった5月3日までの1週間の23人に近づいています。

また、累計の死者数は、26日の時点で2065人となっています。
一方、重症患者の数は26日の時点で410人で、第1波で最も多かった4月30日時点の328人を上回り、すでに過去最多を更新しています。

専門家は強い危機感「ほかの病気の患者の治療に影響も」

新型コロナウイルスの感染拡大による医療機関への影響について、国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「負担感はかなり大きく、感染の第1波のピークを迎える直前の状態に近い。このまま患者が増え続けると、ほかの病気の患者の治療にも影響が出かねない」と述べて強い危機感を示し、感染拡大を抑える重要性を訴えています。
感染の初期から重症患者を中心に治療を続けてきた忽那医師は、現状について「感染の第2波の後半から、患者に占める高齢者の割合が高くなり、いまはそのまま患者の数自体が増えている。医療機関の負担感はかなり大きくなっていて、第1波のピークを迎える直前の状態に近い。まだ大丈夫だという意味ではなく、もう二度とあんな経験はしたくないので、これ以上は勘弁してほしいと思っている」と述べました。

さらに、「行政側は、第1波のピーク時の重症患者の数までは、医療機関が持ちこたえられるだろうと思っているかもしれないが、当時は本当に異常事態だった。このまま患者が増え続けると、ほかの診療科の医師に手伝ってもらう状況になり、新型コロナ以外の病気の患者の治療に影響が出かねない」と述べ、必要な医療が受けられなくなる医療崩壊のような状態が起こりうるとして危機感をあらわにしました。

そのうえで、「目新しい感染対策はなく、マスクを着用したり、3密を避けたり、手洗いをこまめにするといった大事なことは変わらない。特にいまは、会食や、職場の休憩時間にマスクを外して話すことで感染し、そこから家庭内に感染が拡大するケースが目立つので気をつけてほしい。経済対策も大事だが、いまは感染対策に重みをつける時期だと思う」と感染拡大を抑える重要性を訴えました。