「Go Toトラベル」“出発地除外”求めに 大阪市内の旅行会社は

「Go Toトラベル」の運用の見直しについて、25日、政府の分科会が出発地も除外の対象にするよう求めたことについて、大阪市内の旅行会社からは先行きを懸念する声があがっています。

大阪 東住吉区にある「摂陽観光」は、主に大阪発の団体や個人向けの旅行ツアーの企画・販売を手がけています。

新型コロナウイルスの影響で、ことしの4月から3か月間は売上がほとんどない状態でしたが、最近は「Go Toトラベル」を追い風に、個人向けの旅行ツアーの予約が回復し、会社全体の売り上げも、去年の同じ月の4割まで戻っていました。

今月に入ってから感染者の増加の影響で、大阪を出発する商品でも10件ほどのキャンセルが出ています。

仮に、出発地も除外の対象になれば、予約のほとんどがキャンセルになるのではないかと懸念しています。

摂陽観光の藤原雅彦社長は「やっと回復してきたと思ったやさきなのに、もし出発地も対象になり、キャンセルが相次げば死活問題になる。どうなるかわからない状況でも、観光のマインドが冷えて売上に大きな影響が出るので、早くはっきりさせてほしい。正直、対象にしてほしくないが、今は状況をみていくしかない」と話していました。

“活気出てきたやさきに心が折れそう”

Go Toトラベルの対象から大阪市を目的とする旅行が外れたことを受けて、大阪有数の観光名所、通天閣の周辺では、経営の先行きを懸念する声が聞かれました。

大阪浪速区にある通天閣は、ことし4月から2か月近く休業するなど、厳しい経営状況が続いていましたが、Go Toトラベルの運用が始まってからは関西以外の地域からの観光客が徐々に戻り、客足は例年の半分ほどまでに回復していました。

しかし、今月23日までの3連休が明け、Go Toトラベルの運用見直しが決まった今は、客が大幅に減ったということです。

通天閣観光の高井隆光社長は「右肩上がりで活気が出てきたと思っていたやさきに第3波が来て、心が折れそうです。ストップするときはストップするが、その代わりに前に進むときはアクセルをふかして大阪に来てほしいと、行政には発信してほしい」と話していました。

また、通天閣の近くにある土産物店でも、大阪への旅行者が減少すると経営に大きな打撃をもたらすと、危機感を募らせています。

土産物店の店長、南幸弥さんは「土産は、遠方からの観光客が買ってくれるので影響は大きいです。少しずつ上向いていたところだったのでショックです」と話していました。