東京都 新型コロナ 481人感染確認 65歳以上最多 重症者60人

東京都は、26日都内で新たに481人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表し、このうち65歳以上の高齢者は83人で、これまでで最も多くなりました。都の基準で集計した26日時点の重症の患者は25日より6人増えて60人となり、緊急事態宣言が出されていたことし5月11日以来、初めて60人台となりました。

東京都は、きょう都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて481人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1日の感染の確認が400人を超えるのは2日連続です。

年代別では、
▼10歳未満が12人、
▼10代が33人、
▼20代が111人、
▼30代が79人、
▼40代が82人、
▼50代が69人、
▼60代が32人、
▼70代が35人、
▼80代が20人、
▼90代が8人です。

このうち65歳以上の高齢者は83人で、これまでで最も多くなりました。

481人のうち、▼およそ40%にあたる190人は、これまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、▼残りのおよそ60%の291人は、これまでのところ感染経路がわかっていないということです。

濃厚接触者の内訳は、▼「家庭内」が最も多く89人、次いで、▼「施設内」が30人、▼「職場内」が24人、▼「会食」が17人などとなっています。

このうち家庭内では、小学生の子ども2人が母親から感染したケースがあり、この家ではこれまでにあわせて6人の感染が確認されているということです。

これで都内で感染が確認されたのはあわせて3万9079人になりました。

一方、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者はきのうより6人増えて60人となりました。

60人台となるのは、緊急事態宣言が出されていたことし5月11日以来です。

60人のうち、▼70代が24人、▼60代が13人、▼80代が12人などとなっています。

都の担当者は、「高齢者の感染が増えれば少し遅れて重症の患者が増える傾向がある。重症化のリスクが高い高齢者の感染をいかに抑えていくかが重要で、家庭内での広がりが引き続き見られることに危機感を持っている」と話しています。

また、都は、これまでに感染が確認されていた40代の女性と70代の男女2人のあわせて3人が死亡したことを明らかにしました。

これで都内で死亡した人はあわせて485人になりました。

入院・重症・療養

東京都によりますと、都内で26日までに感染が確認された3万9079人のうち、▼入院中の人は25日より65人増えて1626人です。

▽入院患者のうち都の基準で集計した重症の患者は25日より6人増えて60人でした。

都は26日の時点で、重症の患者向けの病床を150床、中等症以下の患者向けの病床は2490床を確保しているということです。

また、▼自宅で療養している人は25日より20人減って738人でした。

▼都が開設・運用している9つのホテルなどで療養している軽症や無症状の人は25日より76人減って740人でした。

このほか、▼医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は25日より101人増えて677人です。

一方、▼すでに退院した人や、自宅などでの療養が終わった人は3万4813人となっています。

小池都知事「高齢の方は早めに対応を」

東京都の基準で集計した26日時点の重症の患者が60人で、緊急事態宣言が出されていた、ことし5月11日以来、初めて60人台となったことについて、東京都の小池知事は都庁で記者団に対し「高齢の方が重症化する比率が大変高い。高齢の方々が『ちょっと調子が悪いな』と思ったら我慢せず、医者に連絡するか、相談センターに電話してほしい。早めに対応することで重症化しない」と述べました。

専門家「人との接触頻度を減らす 真剣に考えて」

感染症学が専門の国際医療福祉大学の松本哲哉教授は、急速な感染拡大を食い止めるためにも、この先、今まで以上に慎重な行動を心がけることが必要で「個人個人が人との接触の頻度を減らすことを真剣に考えてほしい」と呼びかけています。

まず、松本教授は現在の感染状況について、「“第1波”や“第2波”と比べると今の“第3波”は、より深刻だ。高齢者の感染者が増えて重症化のリスクも高まり、医療現場のひっ迫にもつながっていく」と指摘しています。

そのうえで、「さらに深刻にならないように、今まで以上に慎重な行動をとってほしい」と呼びかけています。

具体的な注意点として、忘年会などの会食については感染のリスクが高まることから、できるだけ避けたほうがいいとしたうえで、どうしても行いたい場合は対策として、参加人数に関係なく、席を一つ空けて座るなど間隔を十分にとること。会話の際にはマスクを着用すること。会食の時間は90分程度におさめることなどを挙げています。

さらに、年末年始の帰省についても、感染者がこのまま増え続ける状況が続くなら、控えたほうがいいと指摘しています。

松本教授は「新型コロナウイルスの感染拡大にみんなが慣れてしまうことを懸念している。感染症を抑えるポイントは、急激に増えている時にどんな行動をとるかなので、個人個人が人との接触の頻度を減らすことを真剣に考えてほしい」と話しています。