米 FRB議事録公表 景気回復に懸念 金融緩和の強化策も議論

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が今月開いた会合の議事録が公表され、参加者の間では景気回復の足取りが鈍くなっているとの懸念が示されたうえで、景気を下支えするため今の金融緩和の強化策についても議論されていたことがわかりました。

FRBが25日に公表した議事録は、今月4日から5日にかけて開かれた会合についてです。

それによりますと、景気認識について会合の参加者たちの間では想定よりも速いペースで改善してきたものの、ここ数か月は回復の足取りが鈍くなっているという見方が示されました。

これは、正社員の失業が増えるなど雇用の回復が遅れているのが主な要因と見られます。

そのうえで、景気を下支えするためFRBが購入する国債の量や期間をより明確に示すなど、今の金融緩和をさらに強化するための議論が行われたということです。

アメリカでは新型コロナウイルスの感染が急拡大し、飲食店の営業の制限など再び経済活動を規制する動きが各地で広がっていますが、雇用などを支えてきた政府の経済対策は、その後の与野党の対立で追加策の見通しが立っていません。

こうしたことから、来月中旬に予定されているFRBの次の会合が注目されています。