ソフトバンクが4年連続11回目の日本一に 巨人に4連勝

プロ野球、日本シリーズ第4戦が福岡市のPayPayドームで行われ、ソフトバンクが巨人に4対1で勝って4連勝とし4年連続11回目の日本一に輝きました。
2年連続4連勝で日本一になるのは史上初めてです。

日本シリーズはソフトバンクが3連勝して王手をかけ25日夜、PayPayドームで第4戦が行われました。

ソフトバンクは1回に1点を先制されましたが、そのウラに3番・柳田悠岐選手のツーランホームランですぐに逆転しました。

2回には9番・甲斐拓也選手がシリーズ2本目となるツーランホームランを打って4対1とリードを広げました。

投手陣は先発の和田毅投手が2回1失点でマウンドを降りましたが、このあと8回まで5人のピッチャーが得点を与えませんでした。

そして9回は抑えの森唯斗投手がランナーを2人出しましたが、ピンチをしのいで4対1で勝って4連勝とし、4年連続の日本一を決めました。

2年連続で4連勝して日本一になるのは史上初めてです。

またソフトバンクの日本一は前身の南海、ダイエーを含めて11回目です。

敗れた巨人はこのシリーズ4試合目で初めて先制しましたが、先発した畠世周投手が直後に逆転され、2回途中4失点でした。

打線も2回以降は沈黙し、日本シリーズで2年連続4連敗に終わりました。

ソフトバンク 工藤監督「地元で日本一 最高だ」

4年連続で日本一に輝いたソフトバンクの工藤公康監督は「正直ほっとしている。地元福岡で日本一になることができて最高だ」と話しました。

そして「このシリーズで初めて先制されたが、柳田選手がすぐにホームランを打って一気にベンチの雰囲気、選手の勢いが変わり、これでいけるんじゃないかという雰囲気にしてくれた。ナイスホームランだった」と逆転勝ちの第4戦を振り返りました。

日本シリーズ4試合で巨人打線をわずか4点に抑えた投手陣について「甲斐選手のリードがすばらしかった。ピッチャーもリードに応えてシーズン以上のピッチングをしてくれた。本当によく頑張ってくれた」とたたえました。

また「昨年、日本一となり、4連覇が目標になったが、ことしは苦しいシーズンの始まりだった。そういう中で選手たちが一生懸命プレーしリーグ優勝してくれたことで、また大きな目標の4連覇が現実味を増してきた。すばらしい戦いをしてくれて本当に感謝している」と振り返りました。

そして最後に「ことしは多くの方の支援がなくてはわれわれは開幕することすらできなかった。医療従事者、NPB、球団、そして、ファンの皆様がわれわれに元気や勇気を与えてくれたことがこの勝利につながったと思う。皆様とともに日本一になった喜びを味わうことができて、本当に幸せだ」と話していました。

MVPはソフトバンク 栗原陵矢選手

プロ野球の日本シリーズのMVP=最高殊勲選手には第1戦で決勝ホームランを打ち、シリーズを通して14打数7安打の打率5割だったソフトバンク・栗原陵矢選手が選ばれました。

そして、優秀選手はソフトバンクから第3戦で7回を投げてノーヒットに抑えたムーア投手、第3戦で決勝ホームランを含む15打数5安打の中村晃選手、第4戦で決勝ホームランを打ち14打数6安打だった柳田悠岐選手の3人が選ばれました。

また、敢闘選手には、巨人から3試合にリリーフでマウンドに上がり、5回3分の2を投げてヒット2本で2失点だった戸郷翔征投手が選ばれました。

MVP 栗原選手「なんとか力になりたいと思っていた」

MVP=最高殊勲選手に選ばれたソフトバンクの栗原陵矢選手は「クライマックスシリーズでは打てなかったので、日本シリーズはなんとか力になりたいと思っていた」と笑顔で喜びを表しました。

そして第1戦で巨人のエース・菅野智之投手から最初の打席でツーランホームランを打ったことについて「1打席目はいい形で入りたいと思っていたなか、最高の形になってよかった」と振り返りました。

そのうえで「ことしは難しいシーズンだったが、ファンの皆様の応援がすごく力になったし、優勝に結び付いた」と話していました。

巨人 原監督「打線が機能しなかった」

2年連続の4連敗で日本一を逃した巨人の原辰徳監督は「打線がなかなか機能しなかった。1点、2点、0点、1点。やっぱり攻撃型のチームで攻撃がなかなか機能しなかったというところでしょうね」と振り返りました。

そして「まだまだわれわれは必要としているものがあるということですよ。私も含めて、コーチや選手がもう一回り二回り大きくならないといけないね」と巻き返しを誓っていました。

巨人 坂本勇人選手「来年レベルアップできるように」

巨人のキャプテン、坂本勇人選手は「去年の悔しい思いを、ことしは何とかやり返したいという気持ちで臨んだが、力足らずが結果に現れてしまった。この悔しい気持ちを一人一人が強くもって、来年レベルアップできるようにしたい。期待に応えることはできなかったが、来年チームとして成長した姿を見せられるように頑張りたい」と話していました。

パ・リーグが8年連続日本一

ことしの日本シリーズはソフトバンクが4年連続で日本一に輝き、パ・リーグのチームの日本一はこれで8年連続となりました。

このうちソフトバンクは平成26年と27年、平成29年から4年連続の合わせて6回、日本一になっています。

また、ソフトバンクは2年連続で4連勝して日本一になるのは史上初めてで、パ・リーグのチームが4年連続で日本一になるのも初めてです。

そしてソフトバンクはおととしから続く日本シリーズでの連勝記録も「12」に伸ばしました。

天神では新聞の号外

福岡市の繁華街・天神では新聞の号外が配られました。

号外を待っていた福岡市の女性は「ずっと応援していたので、とても感激しています。ことしは新型コロナウイルスの影響で見に行けなかったのですが勝ってよかったです」と喜びを口にしていました。

また、福岡市の別の女性は「ことしは1試合しか応援に行けなかったのですが日本一になって本当にうれしいです。福岡が活気づきます」と話していました。

そして号外でソフトバンクの日本一を知った男性は「本当に強すぎました。福岡県民として誇りです。来年以降も福岡だけではなく日本全体を元気にする野球を見せてほしいです」と期待を寄せていました。

ソフトバンクの強さ際立つ

ソフトバンクの4年連続日本一は昭和40年から9年連続日本一、いわゆる「V9」を成し遂げた巨人以来2球団目。

パ・リーグのチームでは史上初です。

特にことしの日本シリーズはソフトバンクの強さが際立つ結果となりました。

ソフトバンクは次々に出てくるピッチャーが150キロを超えるストレートを投げて巨人打線を力で抑え込みました。

打線も中軸を中心に力強いスイングで巨人の投手陣を打ち砕き、「パワー」の差がはっきりと浮かび上がりました。

さらに守備や走塁でも隙を見せず、就任6年目で5回目の日本一となった工藤監督の継投策も盤石で、巨人に流れを渡しませんでした。

育成力が強さ支える

ソフトバンクは第1戦先発の千賀滉大投手、第2戦先発の石川柊太投手、それにキャッチャーの甲斐拓也選手やセカンドの周東佑京選手、ショートの牧原大成選手が育成選手から力をつけた選手たち。

さらに、去年の日本シリーズには出場していなかった6年目、24歳の栗原陵矢選手がMVP=シリーズ最高殊勲選手に輝く活躍で、次から次へと新しい選手が成長して戦力となっています。

巨人も育成出身の松原聖弥選手やドラフト6位で入団した2年目、20歳の戸郷翔征投手などが今シーズン大きく成長しましたが、それでもなおソフトバンクとの選手層の差を突きつけられる結果となりました。

パ・リーグ優位が続く

これで日本シリーズはパ・リーグのチームが8年連続で制し、通算の優勝回数もパ・リーグが36回となり、とうとうセ・リーグを上回りました。

ここ10年、日本シリーズではパ・リーグのチームが38勝17敗1引き分け。

ことしは中止となった交流戦でも去年までパ・リーグが10年連続で勝ち越しています。

パ・リーグの「パワフルな野球」と「選手を育てる力」がしばらくはセ・リーグを圧倒しそうです。

主軸・柳田選手の豪快な一本が流れ呼ぶ

ソフトバンクの4年連続日本一を引き寄せたのは主軸の豪快なフルスイングでした。

先発した和田毅投手が1回に巨人に先制点を与え、このシリーズ4試合目で初めてリードを奪われる展開。

それでもそのウラ、3番・柳田悠岐選手が「集中して打ちにいくことができた」と初球のフォークボールをすくい上げ、ライトスタンドへ一直線に飛び込む逆転のツーランホームラン。

あとのない巨人がようやく手にしたリードをソフトバンクは主軸のひと振りであっという間に奪い返しました。

2回にはキャッチャーの甲斐拓也選手が「何とかしようという気持ちだけで打った」とシリーズ2本目のホームランとなるツーランで追加点。

一気に主導権を握りました。

ここからソフトバンクの工藤監督は早めの継投策に打って出ました。

2回までに48球を費やした和田投手に代えて、3回からは24歳の松本裕樹投手をマウンドに送りました。

松本投手は「しっかりと準備はできていた。和田さんの悔しそうな姿が見えたので、和田さんの思いも感じながら投げた」と2回と3分の2イニングを無失点と好投します。

5回途中からは嘉弥真新也投手、高橋礼投手、岩嵜翔投手、モイネロ投手の4人がランナーを1人も出さず、最後は抑えの森唯斗投手がランナーは出しましたが0点で締めて、巨人打線に反撃の隙を与えませんでした。

一方の巨人はこのシリーズ初めて大きく打順を組み替え1回に1番で抜てきされた若林晃弘選手と2番に入った坂本勇人選手の連続ツーベースヒットで先制しました。

しかし先発の4年目、畠世周投手がソフトバンク打線のホームラン攻勢に屈し、リリーフ陣は好投しましたが、打線はヒット6本にとどまりました。

特に4番の岡本和真選手は25日もノーヒットに終わり、シリーズ通して13打数1安打、打率0割7分7厘とソフトバンクバッテリーに封じ込まれました。