Go Toトラベル キャンセル料対策などの検討急ぐ 政府

政府は新型コロナウイルスの感染拡大地域を目的地にする「Go Toトラベル」の新規の予約を一時停止する措置の導入を決め、都道府県と連携して対応が必要な地域を見極めることにしています。
キャンセル料が発生しない対策などの検討も急いでいます。

「Go Toトラベル」について、政府の分科会が、感染が急増している地域での運用の見直しなどを提言したことを受けて、政府は感染拡大地域を目的地にする旅行の新規の予約を一時停止する措置の導入を決めました。

政府は都道府県知事と連携して、感染状況や医療態勢などをもとに、対応が必要な地域を見極めることにしています。

また一時停止の対象に新規の旅行だけでなく、すでに予約済みの旅行を加えるかどうかも検討していて、旅行をやめた場合にキャンセル料が発生しない対策などの検討も急いでいます。

実際に一時停止の措置をとる場合には、旅行会社などが予約システムの変更などに対応できるよう一定の準備期間を設け、感染が落ち着き次第、再び対象に加える方針です。

「Go Toトラベル」をめぐっては、スタートしたあとに、観光目的の旅行とはいえないなどとして、対象から除外される旅行商品が相次ぐなど、一部に混乱もみられることから、旅行各社からは、一時停止の仕組みを分かりやすく示してほしいという声が広がっています。

「Go Toトラベル」の経緯

「Go Toトラベル」は新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ消費を喚起する「Go Toキャンぺーン」のうち、観光分野を支援する事業です。

旅行代金の割り引きと、観光施設や土産物店、飲食店や交通機関などで使えるクーポンを発行する形で、1泊当たり最大2万円分の補助を受けられます。

旅行代金の割り引きは7月22日に始まりましたが、東京都内での感染拡大を踏まえ、政府は開始直前に、都内を目的地とする旅行と都内に住む人の旅行を対象から外しました。

政府は当初は、旅行を取り消した場合のキャンセル料は補償しない方針でしたが、事業スタートの前日になって、一転して補償する方針を示すなど混乱も生じました。

その後、感染状況が落ち着いてきたことから、政府は東京を発着する旅行を先月1日から割り引きの対象に加えました。

また「Go Toトラベル」のうち、観光施設や土産物店、飲食店や交通機関などで使えるクーポンも先月1日から利用できるようになりました。

東京が加わったことで利用者は増加していましたが、このところの感染拡大を受けて政府の分科会は20日夜、感染者が急増している地域での「Go Toキャンペーン」の運用の見直しなどを提言しました。

観光庁によりますと、先月末までの「Go Toトラベル」の実績は、利用者は少なくとも延べ3976万人、利用された金額は少なくとも1886億円に上るということです。

また先月1日から始まった土産物店などで使えるクーポンは、今月9日までに201億円分が発行されたということです。