介護担う「ヤングケアラー」高校生の25人に1人 埼玉県調査

家族の介護を担う18歳未満の子どもたち、いわゆる「ヤングケアラー」が高校生の25人に1人に上ることが埼玉県の調査で分かりました。この問題についての大規模な調査は全国で初めてで、埼玉県は相談体制の整備など支援策を検討しています。

「ヤングケアラー」は家族の介護を担っている18歳未満の子どもたちで、埼玉県は今年度、その実態を把握しようと、県内のすべての高校2年生、およそ5万5000人を対象に調査を行い、およそ90%から回答を得ました。

調査では現在または過去に「家族に代わって洗濯や料理などの家事をしている」、「身の回りの世話をしている」など10の項目をあげ、「ヤングケアラー」に当たるかどうか尋ねたところ、4.1%が該当することが分かりました。25人に1人に上ることになります。

そして生活への影響を複数回答で尋ねたところ、42%は「影響がない」と答えた一方、「孤独を感じる」が19%、次いで「ストレスを感じる」が17%、「勉強時間が十分に取れない」が10%など、みずからの体調や学習に影響が出ている実態がうかがえます。

さらに介護の回数については「毎日」と答えた人が35%と最も多くなりました。

ヤングケアラーについての大規模な調査は全国で初めてで、埼玉県は今回の調査結果を踏まえ、相談体制の整備などの支援策を検討しています。

「ヤングケアラー」とは

「ヤングケアラー」とは家族の介護などを担っている18歳未満の子どものことです。

家族が病気や障害などで介護が必要となり、ほかにサポートする大人がいない場合、家事などを担います。

ヤングケアラーと呼ばれる子どもたちは、日々の介護に追われて学習や就職に支障が出るなどの問題に直面しています。

しかし家庭内での出来事で実態の把握が難しいうえ、子どもたち自身も声を上げづらかったり、困った際にどこに助けを求めていいのか分からなかったりするケースも多く、問題が表面化しにくくなっています。

専門家 「軽視できる数字ではない」

「ヤングケアラー」について研究してきた大阪歯科大学医療保健学部の濱島淑恵准教授は今回の調査結果について、「高校のクラスに1人ヤングケアラーがいると考えると、軽視できる数字ではない」と話しています。

そのうえで、「ヤングケアラーの子どもたちが抱えている生きづらさは子どもの人権に関わり、行政が対策をとるべき問題だ。孤立しないよう居場所をつくることや学習支援、それに食事の支援など、いち早く対策を打つべきだ」と指摘しています。