「コロナ禍で国際社会 緊張・対立深まった」英国際戦略研分析

イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所は世界情勢について分析した最新の報告書を発表し、2020年のことし、国際社会は、新型コロナウイルスの感染拡大という共通の脅威に直面したものの、その対応によって、緊張や対立が深まったと分析しました。

イギリス・ロンドンにある国際戦略研究所は20日、世界の情勢を分析したことしの「戦略概観」を発表しました。

この中で、アメリカ、中国、ヨーロッパの関係についてことし半ばまでに、この数十年で最低の水準にまで落ち込んだと指摘しました。

また、アメリカのWHO=世界保健機関からの脱退決定や、香港をめぐる一連の中国政府の動きなどによって、国際法や国際的な協力の枠組みが挫折に直面したと分析しています。

そのうえで、新型コロナウイルスの感染拡大はこうした状況をさらに悪化させ、多くの国々で政治のリーダーシップが試されているとしています。

さらに、新型コロナウイルスだけでなく、気候変動も国際社会の共通の課題となっていると強調しています。

そして、ウイルスの感染が拡大する中でも地域での各国のせめぎ合いは続いていて、その例として、中東などでのトルコ、そして南太平洋における中国の影響力の拡大などを挙げています。