APEC首脳会議 菅首相 多角的な自由貿易体制の維持・強化必要

日本やアメリカ、中国など21の国と地域が参加する、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が、20日夜、オンライン形式で開かれました。

菅総理大臣は、自由で公正な国際経済のルールづくりや、多角的な自由貿易体制の維持・強化が必要だと強調し、域内での自由貿易圏の実現を目指す考えを示しました。

APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議には、菅総理大臣やアメリカのトランプ大統領、中国の習近平国家主席らが出席しました。

この中で、菅総理大臣は、デジタル化の推進と脱炭素社会の実現を政権の最優先課題に位置づけて取り組んでいると説明しました。

また、「国際的なルールのもとでの貿易や投資の自由化と連結性の強化が、自由で開かれたインド太平洋を支える」と述べ自由で公正な国際経済のルールづくりや、多角的な自由貿易体制の維持・強化が必要だと強調しました。

そのうえで、FTAAP(エフタープ)=アジア太平洋自由貿易圏の実現に向けて、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の着実な実施と拡大や、RCEP=東アジアを中心とする地域的な包括的経済連携の早期締結を目指す考えを示しました。

さらに、菅総理大臣は、来年の夏に東京オリンピック・パラリンピックを安全・安心な形で開催するため、全力で取り組む決意を表明しました。

3年ぶり首脳宣言採択 新型コロナ抑え込みへ「協力続ける」

会議では、新型コロナウイルスによる健康や経済への影響を緩和するための方策などについて意見が交わされたと見られ、3年ぶりとなる首脳宣言を採択して閉幕しました。

首脳宣言では、新型コロナウイルスについてこの時代における健康と経済に対する最も困難な危機の一つだとしたうえで、
▽貿易と投資の環境の改善、
▽デジタル経済による雇用の確保、
それに、
▽技術革新による持続可能性の促進を掲げています。
そして感染の抑え込みに向けて、利用可能なあらゆる政策や手段をとるための協力を続けると強調しています。

また、新型コロナウイルスに対応するための貿易政策は、WTO=世界貿易機関のルールに基づくべきで、安全で効果的な、手ごろな価格のワクチンが公平に手に入るようになることが重要だと指摘しています。

APECの首脳会議は、おととし、貿易をめぐるアメリカと中国の意見対立が起きたほか、去年は議長国・チリの国内の混乱で会議自体が開けず、2年続けて首脳宣言を出せない異例の事態となっていました。