JTB 社員6500人削減へ 今年度の経常損益1000億円の赤字見通し

旅行業界最大手の「JTB」は、新型コロナウイルスの影響で、今年度の経常損益が過去最大の1000億円の赤字となる見通しを公表しました。
経営の立て直しに向けて、早期退職の拡充などによって国内外で全社員の20%程度に当たる6500人を削減する方針を明らかにしました。

JTBが20日発表した来年3月までの1年間のグループ全体の業績予想では、経常損益が過去最大の1000億円の赤字となる見通しです。

新型コロナウイルスの影響で旅行事業の売り上げが大幅に減ることが要因です。

JTBは経営の立て直しに向けて、早期退職の拡充や2022年度の新卒の採用を見合わせるなどして、昨年度の平均で国内外合わせて2万9000人いた社員を、来年度には2万2500人に削減する方針を明らかにしました。

具体的には、国内で2800人、海外で3700人の合わせて6500人を減らし、これによって全社員のおよそ20%を削減する計画です。

このほか、国内の店舗のうち115店舗を統廃合で削減し、インターネットでの販売を強化するほか、冬のボーナスをゼロとするなどして社員の年収を3割削減するということです。

会見で山北栄二郎社長は「人材を整理するのは断腸の思いだ。来年度の黒字化に向けて道筋をつけたい」と述べました。

旅行業界では、大手の「KNTーCTホールディングス」も傘下の近畿日本ツーリストで、希望退職の募集や2022年度の新卒の採用を見合わせるなどして、グループ全体でおよそ7000人の社員を、2024年度末までに3分の2程度に削減する方針を明らかにしています。