大阪 独自の警戒レベル引き上げ決定“会食4人まで”呼びかけへ

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪府は独自の警戒レベルを1段階引き上げ、21日から来月5日までの間、飲食店などでの会食は4人までとするよう、府民に呼びかけることを決めました。

大阪府は20日、対策本部会議を開き、冒頭、吉村知事が「感染状況は連日、過去最多を更新するなど、確実に右肩上がりで医療体制もひっ迫してきている。今はブレーキをかけることが重要だ」と述べました。

そして、重症患者を受け入れる病床の使用率が高まっているとして、いわゆる「大阪モデル」で示す、5段階の警戒レベルを「黄色信号」の「ステージ2」に、1段階引き上げることを決めました。

これを受けて、21日から来月5日までの15日間、クラスターが発生した施設などのうち、府が定めた感染防止宣言をしていない施設に休業を要請するほか、府民に、これらの施設を利用しないよう呼びかけるということです。

さらに、
▽飲食店などでの会食は、参加は4人まで、時間は2時間未満にすること
▽高齢者や基礎疾患のある人など、重症化リスクの高い人たちは、不要不急の外出を控えるよう、呼びかけることを決めました。

吉村知事「5人以上や2時間以上の宴会や飲み会は自粛を」

大阪府の吉村知事は対策本部会議のあと、記者団に対し「大阪の感染は確実に右肩上がりの状況で、感染経路が分からない高齢の重症患者が多くなっている。高齢者や基礎疾患がある人など、重症化のリスクがある人は不要不急の外出を控えてほしい。あすからの3連休はレジャーやパーティーを予定しているかもしれないが、5人以上や2時間以上となる宴会や飲み会は自粛をお願いしたい」と述べました。

そのうえで、今後も感染拡大が続いた場合の対応について「重症患者を受け入れる病床の使用率が、現在の35%前後から70%に高まれば、『大阪モデル』の赤信号が点灯する。医療崩壊を防ぐためにも、50%になればさらなる強いブレーキをお願いする。休業要請や営業時間の短縮を要請することになると思う」と述べました。

忘年会シーズン前に 飲食店は危機感

忘年会シーズンを前にした感染の拡大に、飲食店は危機感を強めています。

大阪 梅田のビルで1階から4階までの各フロアで4つの飲食店を経営している会社では、緊急事態宣言が出されたあと、すべての店を休業しました。

その後、換気や消毒といった対策を取ったうえで、9月から先月にかけて2つの店を再開し、激減していた売り上げは、Go Toイートが始まって通常の7割ほどに回復していたということです。

さらに、1年の売り上げの3分の1を占める忘年会・新年会のシーズンを前に、休業していた団体客用の店もオープンする予定でしたが、忘年会の予約が入らず、再開のめどは立っていません。

関西でおよそ30の飲食店を経営する「あじびる」グループの本岡玲二代表は「繁華街は知事の宣言ひとつで売り上げが10分の1にひっくり返ってしまう。従業員も気をつけ、お客さんも気をつけるなかで、食事には来ていただきたい」と話していました。

コース料理を食べながらオンライン飲み会

新しいサービスを始めることで苦境を乗り切ろうという飲食店も出ています。

大阪 北区の居酒屋では、専用の個室とタブレットを用意し、店内でオンライン飲み会を楽しんでもらえるサービスを始めました。

顔がきれいに映るようライトも準備し、コース料理を食べながら会話を楽しむことができます。

これまでに延べ50人が利用していて、繰り返し訪れる人もいるということです。

店では、会食の自粛が広がっても、なんとか売り上げを確保したいとしています。

「KICHIRI」の堂本優エリアマネージャーは「家庭では味わえない料理を味わいながら、リモートでも人とのつながりを感じられると思います。宴会の自粛ムードが強まっている中でも、ぜひ来ていただきたいです」と話していました。