北海道 函館 コロナ拡大で病床ひっ迫 ほかの療養施設確保要望

北海道函館市は、新型コロナウイルスに感染した入院患者を受け入れている医療機関の病床がひっ迫しているため、北海道にホテルなどの療養施設の確保を要望しました。

函館市で感染した患者を受け入れている市立函館病院では、20日午前の段階で、用意した42床のうち7割以上にあたる32床が埋まり、病床がひっ迫しているということです。

市立函館病院は地域の拠点病院として重症や中等症の患者の治療も行うため、今月17日から軽症や無症状の患者については、市内の国立病院機構函館病院で受け入れを始めたということです。
しかし、国立病院機構函館病院でも用意した病床のうちすでに半分ほどが埋まっているということです。

このため函館市では、さらなる感染拡大に備えて、ホテルなどの療養施設の確保を北海道に要望しました。

ただ、設置には早くても1週間ほどかかる見通しで、それまでの間に急速に患者が増加した場合は、病院以外の市の施設で一時的に軽症患者を受け入れることにしています。

市立函館病院の氏家良人病院局長は「すでに市立函館病院では病床がひっ迫していて、ほかの医療機関との連携が必要だと判断した。医療の崩壊を防ぐためにも改めて感染対策の徹底をお願いしたい」と話しています。

「医療スタッフの多くが対応に追われている」

新型コロナウイルスの患者を受け入れている市立函館病院と国立病院機構函館病院では、合わせて80床余りのベッドが用意されています。

このうち42床を用意している市立函館病院では、重症や中等症の患者も受け入れていて、感染症病棟のほか、ICU=集中治療室なども使用して治療にあたっています。

また、新たに軽症と無症状の患者を受け入れることになった国立病院機構函館病院でも、およそ40床を用意していて、このほかの医療機関でも病床の準備を進めるなど患者の受け入れ準備を整えています。

ただ、函館市では今月15日に市内で初めてクラスター=感染者の集団の発生が確認されているほか、19日はこれまでで最も多い14人の感染が確認されるなど、感染拡大が続いています。

こうした状況に医療関係者は危機感を強めていて、これ以上患者が増えれば新型コロナウイルス以外の患者の医療に影響が出てくるおそれがあるとしています。

市立函館病院の氏家病院局長は「多くは軽症の患者だが、医療スタッフの多くがその対応に追われている。このままではほかに医療を必要としている重症患者などが受け入れられなくなる」と話しています。