プロ野球 日本シリーズ 全試合で指名打者制を採用

21日から始まるプロ野球の日本シリーズは、すべての試合で指名打者制が採用されることになりました。

これは19日、12球団とNPB=日本野球機構が、臨時の実行委員会を開いて決めました。

日本シリーズでは、これまでパ・リーグ出場チームのホームゲームのみ、指名打者制が採用されてきましたが、ことしに限ってセ・リーグ出場チームのホームゲームも含め、全試合で指名打者制を採用するということです。

NPBによりますと、18日夕方、パ・リーグ出場チームのソフトバンクから、新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが過密日程だったことを踏まえ「選手の疲労度や肉体的負担が格段に多かった特別なシーズンだったことを鑑みて、日本シリーズにおいても、全試合で指名打者制にすることで、ピッチャーの肉体的負担や故障のリスクを軽減することにつながる」と申し入れがあったということです。

これに対して、セ・リーグ出場チームの巨人は「有利不利という話ではなく、コロナ禍にあってソフトバンクの提案は十分に理解でき、受け入れることにちゅうちょはない」と賛同したということです。

NPBは今月4日に、ことしの日本シリーズは例年通り、パ・リーグ出場チームのホームゲームだけで指名打者制を採用すると発表していましたが、開幕2日前に急きょ、ルールを変更することになりました。

NPBの井原敦事務局長は「このタイミングは異例中の異例なので、ほかの球団からはそういう指摘もあった。コロナ禍にある、ことしの日本シリーズに限った例外的な処理ということで結論に至った」と話していました。

日本シリーズでは35年ぶり

指名打者制はプロ野球では昭和50年に、パ・リーグで導入されました。

日本シリーズでは昭和59年まで採用されず、昭和60年に初めて全試合で採用されました。

その後、昭和61年は、再び全試合で採用されませんでしたが、昭和62年以降は、パ・リーグ出場チームのホームゲームで採用されてきました。

このため、日本シリーズの全試合で指名打者制が採用されるのは、35年ぶりとなります。

巨人 原監督 “セ・リーグでも導入を”

指名打者制をめぐっては、巨人の原辰徳監督が、セ・リーグでも選手個々のレベルアップのために指名打者制を導入すべきだと主張しています。

NPB=日本野球機構の井原敦事務局長は「セ・リーグ内で、そういう議論が続けられているのは承知している」としたうえで、「今回の判断はあくまで、ことしの日本シリーズに限ってのことなので、その議論とは一切関係ない」と話していました。