米 新型コロナ「無症状なら医療従事者 働ける」命令に強い反発

新型コロナウイルスの新たな感染者の数が10万人を超える日が続くアメリカでは、感染が深刻な州の知事が、感染しても症状がない医療従事者は引き続き働けるとする命令を出したのに対し、看護師らから強い反発が上がっています。

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、アメリカの17日の新たな感染者は16万人以上で、2週間以上にわたり10万人を超える日が続いています。

民間団体の調査では医療機関に入院している人の数もほぼすべての州で増加していて、全米で7万6000人以上、ICU=集中治療室で治療を受けている人の数もおよそ1万5000人と、各地で医療機関がひっ迫しています。

人口あたりの感染者数がアメリカで最も多い中西部ノースダコタ州では医師や看護師が不足するおそれが出ていて、州知事は先週、医療従事者は、感染が確認されても症状がなければそのまま医療現場で働けるとする命令を出しました。

これはCDC=疾病対策センターのガイドラインに沿ったものですが現場の医療従事者は強く反発しています。

地元の看護師協会の代表は「われわれはパンデミックが始まって以来働き続けていて、体力的にも精神的にも崩壊寸前だ」と訴えています。

そのうえで、無症状の医療従事者から同僚や家族などに感染し、さらにほかの人に広げるおそれがあるとして、根本的な対策を求めています。