ANAグループ新卒採用 再来年度入社200人程度 2年連続大幅縮小

新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く航空大手のANAグループは、来年度に続き再来年度入社の新卒採用をパイロットなど一部にとどめ、採用人数を2年連続で大幅に縮小することになりました。

ANAグループでは、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ利用者は、国内線は少しずつ増えていますが、国際線は当初の計画の8割以上の減便が続き、見通しが不確実な状態が続いています。

このため来年度入社の新卒採用をすでにパイロットなど一部にとどめましたが、新たに再来年度入社の新卒採用についてもグループ各社と調整し、パイロットや障害者など一部にすることを決めました。

グループ30社余りの新卒採用の人数は、来年度入社はおよそ700人がすでに決まっていますが、再来年度入社はさらに少ない200人程度にする計画で、今年度までの5年間の新卒採用が毎年3000人前後だったことと比べると、2年連続で大幅に縮小することになります。

これにより、再来年度入社の新卒採用は客室乗務員に加え空港の地上職員などについても行われないことになります。

ANAグループは、グループ全体の構造改革に取り組んでいて、1年以上先の採用の縮小を早く決断することで改革の道筋を示すとともにグループの雇用を守っていく考えです。

一方、日本航空は、再来年度入社の採用については現段階で決めていないとしています。

ANAHD「新しい採用の形も検討」

ANAグループでは、採用人数を縮小しても再来年度の事業を継続する見通しが立ったとしています。

グループ全体の経営戦略を担うANAホールディングスは「入社をご希望いただいている皆様には大変心苦しく存じます。中途採用や総合職のジョブ型採用など、新しい採用の形も検討しているので、ご理解のほどお願い申し上げます」とコメントしています。