輪島の伝統的な和菓子「丸柚餅子」 新型コロナ影響で減産へ

石川県輪島市では、くりぬいた「ゆず」に餅を詰めて蒸し上げた伝統的な和菓子「丸柚餅子」の製造が行われていますが、和菓子店では、ことしは新型コロナの影響で観光客が減ったことなどから、生産量を減らす計画です。

「丸柚餅子」は、輪島塗の行商人が全国を回る際に持ち歩いた保存食で、800年以上の歴史があるとされる、輪島の伝統的な和菓子です。

輪島市河井町にある老舗の和菓子店では、今月12日から「丸柚餅子」の製造が行われていて、16日も従業員3人が、高知県産の「ゆず」を使って作業に当たりました。

従業員たちは「ゆず」の甘酸っぱい香りが漂う工場で、中身をくりぬいた実に、皮やしょうゆなどを練り込んだ餅を詰め、機械で蒸していきました。

蒸し上げたものを、室内で半年間ほど乾燥させると、濃いあめ色をした「丸柚餅子」が完成します。

和菓子店によりますと、ことしは新型コロナの感染拡大で観光客が減ったことなどから、在庫を抱えていて、生産量は例年の3分の1の、5000個程度にとどめる予定だということです。
和菓子店の沖崎まりさんは「新型コロナの影響で一時、店舗を休業するなど痛手を受けました。丸柚餅子は、例年通り心を込めて作っています」と話していました。