札幌市内 新型コロナ感染急増で不要不急の外出自粛も

新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受けて、北海道の鈴木知事と札幌市の秋元市長が会談し、道民に対し、感染のリスクを避ける対策がとれない場合には、札幌市内での不要不急の外出を自粛することや、札幌市と北海道内のほかの地域との行き来を自粛するよう要請する方針を決めました。

北海道では、札幌市での感染確認が連日100人を超え、高止まりとなっているほか、道内の1日の感染確認も4日続けて200人を超えるなど感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。

このため、鈴木知事と札幌市の秋元市長は16日、道庁で会談し、対策の強化について協議しました。

そして、道民に対し、感染のリスクを避ける対策がとれない場合には、札幌市内での不要不急の外出を自粛することや、札幌市と、北海道内のほかの地域との行き来を自粛するよう要請する方針を決めました。

道は、専門家にも意見を聞いたうえで17日、対策本部会議を開いてこの方針を正式に決定することにしています。

会談のあと、鈴木知事は「かなり強い措置になるが、感染対策を強めないと、全道での感染はさらに拡大していく。何としても、今月中に感染拡大を抑え込んでいくという思いで、札幌市と連携して対策を講じたい」と述べました。

道内のクラスター114件 今月は43件

北海道内では16日までに114件のクラスター=感染者の集団が発生し、なかでも今月は1か月としては最も多い43件に上るなど、深刻な状況となっています。

これまで道内で確認された1か月ごとのクラスターの発生件数を、道の集計で見ると、
▽2月は2件
▽3月は0件
▽4月は15件
▽5月は2件
▽6月は7件
▽7月は2件
▽8月は4件
▽9月は7件
▽10月は32件
▽11月は43件となっています。

ことし9月以前で最も多かったのは4月の15件でしたが、10月は32件、そして11月は2週間余りで43件に上っていて、10月以降急増しています。

クラスターが発生した場所を、道の分類をもとに見てみると、最新の集計となる15日の時点では、
▽「店舗」が最も多く45件
次いで
▽「社会福祉施設」が19件
▽「医療施設」が17件
▽「事業所」が15件
▽「学校」が8件
▽「イベント」が5件
などとなっています。

このうち札幌市内で発生したクラスターは全体の6割以上を占めているということで、今月は、道全体の43件のうち26件が札幌市で発生しています。

道の「警戒ステージ」7指標のうち2つが「5」に

道は、独自に定める「警戒ステージ」を11月7日、「3」に引き上げましたが、15日までの時点で7つある指標のうち2つがすでに2段階上の「5」の基準に達しています。

このうち、15日までの1週間に新たに確認された人は1473人と、その前の1週間の816人と比べて2倍近くに増えていて、ステージ「5」の基準となる1327人を上回っています。

さらに、15日までの療養者数は1842人と、こちらもステージ「5」の基準を超えています。

また、病床のひっ迫の度合いは、15日の時点で埋まっている入院患者向けのベッド数が合わせて674床と、ステージ「4」の基準となる350床を大幅に上回っています。

一方、感染経路が分からない人の割合は37.1%と、「2」以上のステージで基準となっている50%をおよそ13ポイント下回っています。

また重症者は、ステージ「3」に引き上げられた11月7日の前日にあたる6日の時点では10人にとどまっていましたが、15日の時点で18人に増えています。

道内の感染者の推移 札幌市以外の割合増える

道内の感染者の推移をNHKで分析したところ、11月9日以降、15日を除いて、札幌市以外の地域で感染が確認される割合が増えていました。

道内で1日に報告される感染者のうち、札幌市以外の地域で確認された人の割合は、11月上旬までは2割から3割程度で推移していました。

ところが11月9日以降、徐々に増え始め、11月14日の時点では、
▽札幌市が54%、
▽札幌市以外の地域が46%と、
半数に迫る勢いとなりました。

一方で、15日は、
▽札幌市が71%、
▽札幌市以外の地域が29%となっていて、
再び3割程度となりました。