新型コロナ 冬場の感染対策のポイントは

寒い冬場は、換気や手洗いなど新型コロナウイルスの対策を徹底するのが難しくなると懸念されています。専門家は、工夫しながら対策をとってほしいと呼びかけています。

冬になって気温が下がると換気のために窓を開けるのが難しくなったり、水が冷たくなって手洗いの徹底が難しくなったりするなど、感染対策が不十分になるおそれがあります。
このため、政府の新型コロナウイルス対策の分科会では寒い場所での感染防止策のポイントを示しています。
まず冬でも、マスクの着用やいわゆる「3密」を避けることなどの基本的な対策は変わりません。
そのうえで、寒い場所での換気の方法について
▽換気扇などを使って常時換気すること
▽室温が下がらない範囲で常に窓を少しだけ開けておくこと
▽使っていない部屋の窓を大きく開けるなどして、2段階の換気をすることなどを示しています。

部屋の温度は18度以上が目安だということです。

また、換気と同時に湿度も40%以上を目安にすることを勧めていて、加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりすることや、こまめな拭き掃除をする方法などがあるということです。

専門家「扇風機で空気循環でもリスク低下」

感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は寒くなる冬場は密閉、密接、密集の「3密」の環境になりやすいため特に換気に気をつかってほしいとしています。

窓を開ける通常の換気が望ましいということですが、寒さで窓が開けられない場合は、扇風機などで家の中の空気を循環させてよどみを作らないことでも感染リスクをある程度下げることができるということです。

一方、1人暮らしで誰も訪問しない場合は換気を頻繁に行う必要はなく、外出時に感染しないよう人と人との距離を保ったり、マスクの着用や手洗いを徹底するなどを注意してほしいということです。

会食での対策は…

また、年末年始で忘年会や新年会など、会食が増える時期ですが、ことしはなるべく自粛してほしいとしたうえで、どうしても会食をする場合は
▽換気がよい場所を選び
▽5人以上は避け
▽食べたり飲んだりする時以外はマスクを着けるなどの対策が重要だとしています。

注意点は…

▽少人数で、なるべくふだん一緒にいる人と。
▽5人以上の飲食では大声になって飛まつが飛びやすい。
▽深酒、はしご酒は控え、短時間で、適度な酒量で。
▽回し飲みや箸などの共有を避ける。
▽席は、ほかの人の正面や真横をなるべく避けて斜め向かいに。
▽食べたり飲んだりする時以外は、なるべくマスクを。
賀来特任教授は「ふだんから対策を徹底している人も多い中で感染者数が増えるということは冬場は感染が広がりやすい条件がそろった季節だと考えられる。感染がこれ以上広がって医療の崩壊を招かないように寒い中でも、改めて対策を徹底してほしい」と話しています。