本居宣長が描いた架空の城下町区画を“分譲販売” 三重 松阪

江戸時代の国学者、本居宣長の資料を展示する三重県松阪市の記念館は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ収入を補おうと、宣長が描いた架空の城下町の区画を“分譲販売”するユニークな取り組みを始めました。

今の松阪市出身で江戸時代を代表する国学者、本居宣長は19歳の時に、架空の城下町の絵図「端原氏城下絵図」を描き、絵図は国の重要文化財にも指定されています。

この絵図などを保存・展示している松阪市の本居宣長記念館は、新型コロナウイルスの影響で来館者が一時、最大で例年の10分の1まで落ち込みました。
このため記念館では収入の減少を補おうと、絵図に描かれているものの、持ち主が示されていない町人の居住区画のうち55の区画を、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングの返礼品として分譲することにしました。
寄付は1口1万円から5万円までの4コースあり、寄付をした人の名前を区画に入れ込んだ複製の絵図や権利証が贈られます。
受け付けは来月11日まで行われ、集まった支援金は展示物を紹介する動画を配信するための機材の購入などにあてられるということです。

本居宣長記念館の東博武館長は「江戸時代に宣長が描いた町を、令和時代の人たちが完成させていくことの楽しさを感じてもらいたい」と話しています。