家庭用ゲーム機「PS5」「Xbox」発売 およそ7年ぶりで競争激化

自宅で過ごす人の、いわゆる巣ごもり需要で、ゲーム市場の拡大が見込まれるなか、ソニーとマイクロソフトが新型のゲーム機を発売し、年末商戦に向け競争が激しくなっています。

ソニーは12日、主力の家庭用ゲーム機で、およそ7年ぶりの新機種となるプレイステーション5の発売を始めました。

状況に応じてコントローラーが振動したり、力を入れないとボタンが押せないようにしたりして、ゲームを体感できるのが特徴です。

ことしは新型コロナウイルス対策で、予約がない人への店頭での販売を見送りました。
また、IT大手のマイクロソフトは10日、家庭用ゲーム機「Xbox」の新しい機種「シリーズX」と「シリーズS」を発売しました。
新機種の発売はおよそ7年ぶりで、高精細な4Kの画質に対応し、処理速度が速いのが特徴で、都内の家電量販店では、開店直後から客が次々と買い求めていました。

購入した神奈川県の30歳の女性は「ふだんゲームはしないが、巣ごもりでゲームをする人が増えているので、この機会に私も始めたいと思った」と話していました。

ことしのゲーム市場は、自宅で過ごす人の巣ごもり需要を追い風に拡大が見込まれていて、年末商戦に向けて競争が激しくなっています。

ソニー「移動が制限されてもゲームは世界中で交流」

ソニー・インタラクティブエンタテインメントのジム・ライアン社長は、新型コロナウイルスの影響で移動が制限される中でも、オンラインゲームでは世界中で交流できるとしたうえで「ゲームは人々をつなげることに気付かされた。ポストコロナの時代に入っても、プレイステーションがもつコミュニティーを維持させていきたいと思うし、この中の人々のつながりも続いてくれるとうれしい」と話しています。

市場拡大が見込まれるゲーム業界 背景に“巣ごもり需要”

ことしのゲーム業界は、新型コロナウイルスの感染を防ぐため自宅で過ごす人のいわゆる巣ごもり需要を背景に市場の拡大が見込まれています。

世界的に人気を集めているのが、ゲーム上の仮想空間でほかのプレーヤーと交流できるソフトです。

このうち、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」はゲーム上で自由な生活を体験できることなどが人気を呼び、ことし3月の発売から9月末までに世界で2604万本が売れる記録的なヒットになっています。

このソフトが利用できるゲーム機「ニンテンドースイッチ」も好調な売れ行きが続き、任天堂のことし9月までの半年間の最終的な利益は前の年の同じ時期の3.4倍に増えました。

また、新型コロナウイルスの影響で店頭ではなくインターネット上でソフトを購入してダウンロードする傾向が強まっています。

ソニーによりますと、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出たことし4月からの3か月間に購入されたプレイステーション4のゲームソフトのうち74%がネット上で購入されたということです。

12日に発売したプレイステーション5ではゲームソフトのディスクを読み込む機能を備えた機種に加えて、ディスクを読み込む機能がなくダウンロード専用とする代わりに価格を下げた機種も用意しています。