北海道 新型コロナ 119人感染確認 100人超は初めて

北海道で、5日、確認された新型コロナウイルスの感染者数は119人となり、初めて100人を超えました。このうち札幌市は93人に上り、札幌を中心に感染の拡大に歯止めがかかりません。

札幌市では、市内に住む82人と居住地が非公表の11人の合わせて93人の感染が確認されました。

札幌市での一日の感染確認としては今月2日の83人を上回り、これまでで最も多くなりました。

このほか、道内では、函館市の4人、旭川市の3人、千歳市の3人、苫小牧市の2人、小樽市の1人、恵庭市の1人、稚内市の1人、空知地方の1人、石狩地方の3人、胆振地方の4人、十勝地方の2人、釧路地方の1人の合わせて26人の感染が確認されました。

道内の5日の感染確認は合わせて119人となり、初めて100人を超えました。

札幌市の医療機関で新たに感染者の集団=クラスターが発生したほか、感染者の確認は札幌市を中心に道内の幅広い地域にわたっていて、感染の拡大に歯止めがかかりません。

年代別に見ますと、非公表の25人を除いて20代が26人と最も多くなっていて、次いで40代が22人、30代が18人などとなっています。

検査数は1021件でした。

道などによりますと、現在の症状が非公表の14人を除いて、いずれも軽症か無症状だということです。

119人のうち、78人は感染経路が分からないということです。

道内の感染者は、延べ3566人となり、このうち、死亡した人は112人、治療を終えた人は延べ2780人となっています。

道は、独自に定める「警戒ステージ」を先月28日に「2」に引き上げ、2週間を集中的な対策期間として特別措置法に基づいた協力要請を行っていますが、5日の時点で、病床のひっ迫度合いや、1週間当たりの新規感染者数、感染経路が分からない人の割合などの指標が、一部を除いて1段階上のステージで定める基準を超えました。

加藤官房長官「医療体制の負荷が蓄積」

加藤官房長官は、午後の記者会見で、「観光の関係では、現在、『GoToトラベル』と直接関連したクラスターが発生しているとは聞いていないが、札幌市内を中心に、接待を伴う飲食店などで、さまざまなクラスターが散発し、新規の感染者数が増加傾向にあると承知している」と述べました。

そのうえで、「病床の使用率は、現在およそ12%で、医療体制がひっ迫する状況にはないのではないかと思うが、医療体制の負荷が蓄積する段階だと認識している。政府としては、厚生労働省のクラスター対策班の専門家2人を派遣し、リスクの評価や感染拡大防止策の提案などを行っており、引き続き、必要な支援を行っていきたい」と述べました。

西村経済再生相「札幌に保健師派遣を」

西村経済再生担当大臣は記者会見で、5日夕方、北海道の鈴木知事と電話で会談したとして、「病床や宿泊療養施設は緊急に支援が必要ということではないが、札幌市で保健師が不足し、保健所の業務がひっ迫しているということだった。あす、あさってにも保健師を派遣できればと思うので、厚生労働省へ働きかけたい」と述べました。

また、窓を閉めて換気が不十分になりがちな冬の感染対策について、感染症や工学の専門家に効果的な換気の在り方を検討してもらう考えを示しました。