東京都 新型コロナ 2人死亡 269人感染確認 重症者が増加傾向

東京都は、5日、都内で新たに269人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、都の基準で集計した5日時点の重症の患者は38人となり、30人台の後半になるのは8月下旬以来です。都の担当者は「高齢者施設やデイサービスでの感染が多くなっていることが要因とみられる」と分析しています。

東京都は、5日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて269人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

年代別では、
▽10歳未満が3人、
▽10代が15人、
▽20代が77人、
▽30代が55人、
▽40代が50人、
▽50代が28人、
▽60代が16人、
▽70代が14人、
▽80代が10人、
▽90代が1人です。

都内で一日の感染の確認が250人を超えるのは、284人だった先月15日以来です。
また、200人を超えるのは3日以来です。

269人のうち、およそ43%にあたる115人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ57%の154人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。

濃厚接触者の内訳は、
▽家庭内が46人、
▽会食が17人、
▽職場内が15人、
▽施設内が5人、
▽夜間営業する接待を伴う飲食店の関係者が4人などとなっています。

このうち、家庭内では、子ども3人が父親から感染したケースや、男子学生3人が同居している友人から感染したケースがありました。

会食では、ハロウィーンを前に先月30日に開かれたパーティーに出席した40代の女性の感染が確認され、都によりますと、ほかの出席者から感染したということです。

施設内では、法政大学のサッカー部の合宿所で新たに1人の感染が確認され、都に報告されたのは合わせて25人になりました。

これで都内で感染が確認されたのは合わせて3万1893人になりました。

一方、都の基準で集計した5日時点の重症の患者は、4日より3人増えて38人となりました。

重症の患者は先月下旬に30人を超え、その後、増加傾向です。

これまでに重症の患者が最も多かったのは、都が人数を把握して発表するようになった4月27日以降では、4月28日と29日の105人ですが、30人台の後半になるのは8月下旬以来です。

38人を年代別にみますと、
▽70代が13人と最も多く、
▽50代と60代がそれぞれ7人、
▽80代が6人、
▽40代が5人となっています。

都の担当者は「高齢者施設やデイサービスでの感染が多くなっていることが要因とみられる」と分析しています。

一方、都が5日公表した3日前の今月2日の検査件数は7354件で、これまでで最も多くなりました。

また、都は、感染が確認された90代の男性と60代の男性が死亡したことを明らかにしました。

このうち60代の男性は基礎疾患があったということです。

これで都内で死亡した人は合わせて461人になりました。

入院患者や自宅療養者は

東京都によりますと、都内で5日までに感染が確認された3万1893人のうち、入院中の人は4日より67人減って973人です。

入院患者のうち、都の基準で集計した重症の患者は4日より3人増えて38人でした。

都は5日の時点で、重症の患者向けの病床を150床、中等症以下の患者向けの病床は2490床を確保しているということです。

また、自宅で療養している人は4日より1人増えて215人です。

都が開設・運用している9つのホテルなどで療養している軽症や無症状の人は4日より3人減って264人です。

このほか、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は4日より132人増えて365人です。

一方、すでに退院した人や、自宅などでの療養が終わった人は2万9615人となっています。

都医師会 発熱患者診る医療体制整備

東京都医師会の尾崎治夫会長は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え、発熱した患者を地域のかかりつけ医で診療、検査できる体制を整えていることを強調し、感染を広げないため、体調不良の場合はリモートワークを活用するなど意識の改革が必要だと訴えました。

日本記者クラブで行われた記者会見の中で、尾崎会長は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備え発熱した患者を診療、検査できる地域のかかりつけ医を増やして体制を整えることで、先月19日現在、都内で対応できる医療機関が2300にのぼることを説明しました。

そのうえで尾崎会長は「かぜをひいたが動ける体力はあるという場合は会社には行かずにリモートワークを活用するなどの対応をとれば、コロナに限らずに感染症を防げると考えている」と述べて、同時流行を食い止めるためには意識改革が必要だと訴えました。

また、これまでの新型コロナウイルスの流行状況を感染経路ごとにみると、歓楽街、いわゆる“夜の街”での感染が増えたあと職場や家族内の感染が広がっているとして、大流行につなげないためにも限定した地域で飲食店などに補償を伴う休業要請ができる政策を打ち出せる仕組みが必要だとして、日本医師会とも話し合い、国への要望も検討したいという考えを示しました。