「世界津波の日」国連がコロナ感染拡大踏まえた津波対策指針

11月5日は日本が主導し国連が定めた「世界津波の日」です。国連は学校向けに新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた津波対策の指針を初めて取りまとめました。

この指針は、世界各地の学校の津波対策に役立ててもらおうと、UNDP=国連開発計画のアジア太平洋局とUNDRR=国連防災機関が「世界津波の日」に合わせて策定しました。

この中で、津波からの避難について、感染拡大の防止のため外出制限措置がとられる中でも、直ちに避難し命を守ることが最優先だとしたうえで、避難者の密集を避けるため、複数の避難ルートの設置や避難所の増設を呼びかけています。

また、災害時、多くの学校が避難所として利用されることから、マスクや消毒液を十分に備蓄するほか、避難所を運営する際には、避難者の体調管理を徹底し、感染が疑われる避難者については速やかに隔離し接触者の追跡調査を行うよう求めています。

一方、指針には、避難所の混雑を防ぎ感染リスクを軽減させるための最新の取り組みとして、神奈川県川崎市で行われたAI=人工知能を活用した実験も紹介されています。

UNDPの岡井朝子総裁補は「感染の拡大で避難所を運営する学校管理者の負担は重くなっている。自宅学習を続けている子どもたちも多く、学校だけでなく地域全体で災害に備えることができるよう、指針を充実させていきたい」と話しています。