衆院予算委「日本学術会議」や経済立て直しなどで論戦

国会では、2日から衆議院予算委員会で質疑が始まり、「日本学術会議」をめぐる政府の対応や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済の立て直しなどについて論戦が交わされました。

自民党の大塚拓氏は、日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかったことをめぐり、「選考プロセスは、一点の曇りもないシステムに見直さないと、『特定の既得権集団がポストをたらいまわししている』という批判からは免れない。どのような思いで今回の決断をしたのか」とただしました。
これに対し、菅総理大臣は、「官房長官当時から選考方法について懸念を持ってきた。総合的・ふかん的な活動が求められる中で、学術会議の会員およそ200人、連携会員およそ2000人の先生方とつながりを持たなければ会員になれないような仕組みになっていることも事実だ。ある意味では閉鎖的で、既得権益のようになっているのではないか。推薦された方々をそのまま任命するという前例を踏襲をするのは、今回はやめるべきだと私は判断した」と述べました。
また、学術会議を所管する井上科学技術担当大臣は、会員の選考過程について、「学術会議の梶田会長からも論点として選考プロセスの透明性の向上などについて提案もあった。検証して問題があるということであれば、見直すことも考えていきたい」と述べました。
公明党の竹内政務調査会長は、日本も参加している、新型コロナウイルスのワクチンを各国で共同購入し、発展途上国などにも供給する国際的な枠組みについて、「米国は不参加を表明している。裕福な国々がワクチンを独り占めする弊害を防ぐとともに、低所得の人々が取り残されてしまう悲劇はあってはならない」とただしました。
これに対し、菅総理大臣は、「人間の安全保障が脅かされており、国際連携の強化が必要だ。保健分野など、途上国を支援するとともに多国間主義を推進していく。国際的な枠組みは、これまでも重要性を提起し、米国を含む各国に働きかけており、今後もそうした取り組みをしっかり続けていく。国内的には、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を絶対防いで、国民の命と健康を守り抜く」と述べました。

また、竹内氏は、北朝鮮による拉致問題について「2002年に5人の拉致被害者が帰国して以来、今もって拉致被害者全員の帰国が実現していないことは、痛恨の極みだ。あらゆるチャンスを逃すことなく、拉致問題解決に全力を尽くしてもらいたい」とただしました。

これに対し、菅総理大臣は「拉致問題は、私の内閣においても最重要課題だ。拉致被害者のご家族が高齢となるなか、拉致問題の解決には、一刻の猶予もない。総理大臣就任後に、アメリカのトランプ大統領との電話をはじめ、各国首脳との会談でも必ず拉致問題について協力を要請してきた。私自身もキム・ジョンウン(金正恩)委員長と無条件で会って解決したい。小さい機会でも逃すことなく行っていく」と述べました。
立憲民主党の江田代表代行は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済の立て直しについて、「消費もどんどん減退して、去年10月の消費増税と、経済の基礎体力を失っているところに、ことしに入って新型コロナが襲った。『GoToキャンペーン』もいいが、もっと抜本的な消費喚起策をやらないのか」とただしました。
これに対し、菅総理大臣は、「持ち直しの動きが見られるものの、依然厳しい経済情勢なので、引き続き感染対策をしっかり講じたうえで『GoToキャンペーン』など各事業を適切に運用し、経済の回復につなげていきたいし、今後ともちゅうちょなく必要な対策はとっていく。一方、消費税については、社会保障の財源になっているので、税率を引き下げることは考えていない」と述べました。
立憲民主党の今井雅人氏は、日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかったことについて、「会員が所属している大学に偏りがあるというのは私もそう思う。7つの『旧帝国大学』の人たちを外したのなら理解できるが、そうではない。どうしてなのか」とただしました。
これに対し、菅総理大臣は「政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については人事に関することであり、答えを差し控えたい。正直悩んだが、前例踏襲をやめた結果として、例えば、民間人や若手も増やすことができるようにしたほうがよいのではないかと思った」と述べました。

一方、加藤官房長官は、おととし政府内で「推薦通りに任命すべき義務があるとまでは言えない」などとする文書をまとめたことについて、「日本学術会議の会長は、会議を代表する立場なので、事務局から口頭で説明をさせていただいた。『文書そのものを見せるまでの必要はないんだろう』という判断があったと聞いている」と述べました。

加藤官房長官「同質的な集団が再生産の傾向」

加藤官房長官は午後の記者会見で日本学術会議をめぐり、菅総理大臣が衆議院予算委員会で「ある意味では閉鎖的で、既得権益のようになっているのではないか」などと答弁したことについて、「会員や連携会員とのつながりのある限られた方々の中から会員が選ばれれば、同質的な集団が再生産される傾向が否めないのではないかということや、大学以外の研究機関などで活躍する科学者や新しく開発されつつある分野の科学者、若手の科学者などが選ばれにくいという指摘などを踏まえ、閉鎖的で既得権益のようになっていると言われている状態を指したのではないか」と述べました。

共産 小池書記局長「国民を愚弄する態度」

共産党の小池書記局長は記者会見で「日本学術会議に関する質疑で、菅総理大臣は、肝心なことはすべて『人事の話で答えられない』と、人事を盾に答弁拒否の連続だった。答弁を門前払いする姿勢は、国会と国民を愚弄する態度だと言われてもしかたがなく、きっぱりと改めていただきたい」と述べました。