成田空港にPCRセンター 国内空港では初 2時間で「陰性証明書」

新型コロナウイルス対策として制限されている海外との往来が徐々に緩和される中、成田空港では2日、海外に渡航する人が迅速に検査を受けられる「PCRセンター」が国内の空港で初めて開設されました。

海外との往来の制限が徐々に緩和される中、国際線の利用者が渡航先の国や地域から新型コロナウイルスの検査で陰性であることを示す証明書を求められることが増えると予想されています。

こうした中、成田空港に2日、海外に渡航する人がウイルス検査を受けられる「PCRセンター」が新たに設置され、報道関係者に公開されました。

このセンターは日本医科大学が中心となって運営し、医師や看護師などおよそ30人が交代しながら24時間態勢で、1日およそ700件の検査を行うことができるとしていて、初日の2日は9人が検査を受けました。

海外への出発当日、予約なしでも検査を受けることが可能で、現在の態勢では受付から6時間ほどで「陰性証明書」が発行できます。

来月からは2時間ほどで発行できるようになるということです。

成田空港会社によりますと、国内の空港で海外に渡航する人が新型コロナウイルスの検査を受けることができる施設が設置されるのは初めてです。

成田空港を利用した45歳の会社員の男性は、「検査のため病院に行かずに済むので、迅速に結果が出れば便利になると思います」と話していました。

「PCRセンター」を運営する日本医科大学の汲田伸一郎常務理事は、「空港では検査結果がその場で分かるようになる。旅客数が増えた場合は検査機器を増やして対応したい」と話していました。

2時間の迅速検査とは

成田空港の「PCRセンター」は事前の予約がなくても検査を受けることが可能で、受付から2時間ほどで検査結果の証明書を発行できるということです。

利用者は、まず受付で本人確認のためパスポートを提示し、渡航する国や地域をスタッフに伝えます。

このあと、看護師から発熱やせきがないかの問診を受けます。

受付から、ここまで、およそ30分かかると見込まれます。

そして、検体の採取です。

フェイスシールドを付けた看護師が綿棒を使って鼻の奥から検体を採取します。

検体採取は、5分程度で終わります。

成田空港の「PCRセンター」は施設内に検査機器が設置されていることから、検体の採取からおよそ1時間半後には検査結果が判明し、証明書が本人に速やかに発行されるということです。

運営する日本医科大学によりますと多くの医療機関では、採取した検体を民間の検査会社に送って、検査してもらう必要があるため、結果が通知されるまで3日程度かかります。

これに比べ、空港のセンターでの検査にかかる時間は、大幅に短縮されることになります。

成田空港の「PCRセンター」の利用料金は検査結果の証明書の発行を含め、事前に予約をした場合は3万9800円、予約をしない場合は4万6500円です。

予約などの問い合わせ先は、電話番号0476ー34ー6805。

ホームページはhttps://www.nms-pcr.comです。

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