トルコ・ギリシャ沖地震 27人死亡 800人以上けが 余震続く

トルコとギリシャの間のエーゲ海で発生した地震と津波では両国でこれまでに合わせて27人の死亡が確認されました。震源地周辺では余震とみられるマグニチュード4以上の地震が少なくとも6回起きていて、トルコ政府は注意を呼びかけています。

日本時間の30日夜、トルコ時間の30日午後、トルコとギリシャの間のエーゲ海を震源とするマグニチュード7.0の大きな地震が起き、津波も発生しました。

発生から一夜が明けたトルコ西部のイズミル県では、建物が倒壊した8か所の現場で捜索と救助活動が続いています。

トルコとギリシャの当局によりますと、これまでにトルコでは25人が死亡、804人がけがをし、ギリシャでは2人が死亡、8人がけがをしたことが確認されたということです。

USGS=アメリカの地質調査所によりますと、震源地の海域では余震とみられるマグニチュード4以上の地震が少なくとも6回起きています。

地元のテレビは、住民の多くが自宅が余震で倒壊するのを恐れて屋外で夜を明かしたと伝えています。

トルコ政府は、今後もしばらくは地震が続く可能性があるとして注意を呼びかけています。

トルコ西部のイズミル県とは

地震で大きな被害が出ているトルコ西部のイズミル県は、エーゲ海の沿岸に位置し、イスタンブールとアンカラに次ぐ、トルコ第3の都市、イズミルを中心とする県です。

イズミル県は、古くからヨーロッパ各国との玄関口として海運が発達し、その物流網を生かして食品や機械などの製造業が発展してきました。

最近はヨーロッパや中東の市場を見据えて日本企業の進出もみられ、2015年に日本ハムが鶏肉の生産を手がける現地企業を買収したほか、2017年にはヤンマーが現地法人を設立し、建設機械や農業機械の販売を手がけています。

また、イズミル県は観光地としても知られ、ローマ帝国時代の図書館や神殿の遺構で知られるエフェソスとペルガモンの古代遺跡は、いずれも世界文化遺産に登録されています。

トルコでの過去の地震被害

トルコでは、これまでにも大きな被害が出る地震がたびたび起きています。

1999年8月にはトルコ西部の都市、イズミットを震源とするマグニチュード7.4の大地震が起き、1万7000人以上が死亡、4万3000人を超す人がけがをしました。

また、2011年10月には、イランの国境に近い東部のワン県の周辺で地震が起きて、600人以上が犠牲になっています。

ことし1月にも東部でマグニチュード6.7の地震が起き、倒壊した建物の下敷きになるなどして40人余りが死亡しました。

地震メカニズムの専門家「トルコ沿岸部を中心に強い揺れか」

ギリシャとトルコに挟まれた海域を震源とするマグニチュード7.0の地震について、地震のメカニズムに詳しい名古屋大学大学院の山岡耕春教授は「この地域は、ふだんから地震活動が活発だ。今回の地震は、プレート内部の浅い場所で引っ張られるような力が働いて発生した『正断層型』の地震だと考えられる」と話しています。

そのうえで、「具体的な解析が進まないとわからないが、30キロから50キロの長さの断層がずれ動いた可能性があり、震源からの距離が近かったトルコの沿岸部を中心に強い揺れになったのではないか」と話しています。

津波の専門家「入り江が多く津波が高くなりやすい地形」

トルコとギリシャの間のエーゲ海で発生した津波について現地周辺を調査したことがある津波の専門家は、「入り江が多く津波が高くなりやすい地形で、海岸沿いの低い土地にはリゾート地が多いため、津波の被害を受けやすい」と指摘しています。

津波のメカニズムに詳しい東北大学の今村文彦教授は、今回の津波について、プレートの浅い場所が上下にずれ動いたことで海水が押し上げられて発生したとしています。

そのうえで、「映像などを見ると震源に近いギリシャのサモス島の沿岸、特に入り江を中心に被害が出ているようで、1メートルから2メートルほどの津波が押し寄せたとみられる」としています。

今村教授によると、エーゲ海周辺には小さな島や半島があり、いずれも入り江が多く津波が高くなりやすい地形となっているということです。

さらに、海岸沿いの低い土地にはリゾート地が多く、レストランやホテル、別荘などが建ち並んでいて、1メートルほどの津波でも大きな被害を受けやすいリスクがあるとしています。

3年前の2017年7月には、今回の震源から南に100キロほど離れた場所を震源とする地震でギリシャのコス島やトルコのボドルムで津波が発生し、被害が出たということです。

今村教授は、「エーゲ海周辺はもともと地震が多い地域だ。特に震源が浅い場合には地震による揺れだけではなく、津波への警戒が必要だ」と話していました。