渋谷はどうなる? あすのハロウィーンを前に街の様子は

東京 渋谷区が感染拡大を防ぐため、ハロウィーンを目的とした来訪の自粛を呼びかける中、警視庁は31日、状況に応じて繁華街に機動隊を出して警戒にあたることにしています。

東京の渋谷や六本木の繁華街はハロウィーンの時期、仮装した若者や外国人で激しく混雑し、去年の本番では、渋谷センター街で9人が公務執行妨害などの疑いで逮捕されています。

警視庁は例年、数百人規模の機動隊を出して警戒にあたっていますが、ことしは渋谷区が来訪の自粛を呼びかけているため、31日は状況を見極めながら警戒するとしています。

特に、スクランブル交差点の周辺が激しく混雑した場合は「DJポリス」と呼ばれる機動隊の広報班が、日本語と英語で歩行者を誘導するなどの対応を取ることにしています。

警視庁は「ことしは、どれだけ人が集まるか予想できないが、現場の状況に応じて適切な警備を実施したい」としています。

「かぶり物など仮装でのご入店」お断り

東京 渋谷区の百貨店、西武渋谷店では、あす、31日のハロウィーンを前に「ハロウィーンのかぶり物など仮装してのご入店はご遠慮いただいております」と書かれたお知らせを、店の入り口に掲示しました。

このお知らせは、外国人にもわかるよう英語でも書かれています。

西武渋谷店によりますと、
▽仮装用の衣装に着替えるため、トイレを長時間利用する人がいることや、
▽仮装した人は、グループで行動することが多く、密になりやすいことから、新型コロナウイルスの感染予防からも、入店を断ることにしたということです。

西武渋谷店 総務部の吉田直隆部長は「お客様が安全に過ごせるように呼びかけをしています」と話していました。

この百貨店は、30日も31日も、通常どおり午後8時まで営業するということですが、退社時間に渋谷が混雑することも予想して、従業員に対して、スクランブル交差点を避けたルートで帰るように呼びかけているということです。

去年 夕方に店を閉めたレストランは…

渋谷区宇田川町にあるレストランは毎年、ハロウィーンの際に、店の入り口で大勢の若者たちが座り込むなどして、客が入りづらい状況になるということです。

この店では、去年のハロウィーンの前日は、店の前に大勢の人がいたため、客がほとんど入らず、翌日のハロウィーン当日は、早めに夕方に店を閉めたということです。

副店長によりますと、ことしは区が自粛を呼びかけているためか、例年ならハロウィーンの前から見られる仮装した人たちを、あまり見かけないといいます。

店では、新型コロナウイルスの影響で店の売り上げが去年の3割程度にとどまっていることから、感染対策を取りながら、ことしは通常どおり営業したいとしています。

ヴェントゥーノ・トーキョー宮澤謙二副店長は「ことしも人が多く集まるようだと、早めに店を閉めるかもしれません。店としては、マナーを守って感染対策をとって、食事にきてほしいという思いもありますが、ことしは人の動きが読めません」と話していました。

「混雑レーダー」で密を避けて

外出先での密を避けるなど、感染防止に役立ててもらおうと、IT大手ヤフーは、地点ごとの混雑度合いが、ほぼリアルタイムでわかる「混雑レーダー」をインターネット上で無料で公開しています。

混雑レーダーは、ユーザーに同意を得たうえで、携帯電話の位置情報を利用して作られていて、地図上に色のついた雲がかかるような形で、最も混雑していない青から、最も混雑しているピンクまで、11色で示されます。

赤っぽい色、黄色や、緑色っぽい色は、混雑の度合いが比較的高いことを示す一方、青や水色などは、混雑度合いが比較的低いことを示しています。

情報は、最短で20分前のデータが10分ごとに更新される仕組みです。

【去年10月30日 午後6時】

渋谷駅周辺が黄色くなっているのが分かります。

駅自体は薄く赤くなっているようにも見えます。

駅から遠ざかるに従って、色は緑から水色に変化し、混雑度合いが低くなっているのが分かります。

【ことし10月23日 午後6時】

一方、先週の金曜日は、黄色い部分はなく、駅周辺も緑色で、去年の10月30日の午後6時の時点よりは混雑度合いが低いことが分かります。

【きょう10月30日 午後6時】

きょう、30日も、黄色い部分は少なく、駅周辺も緑色や水色の部分が多く、去年の同じ時間帯と比べて混雑度合いが低いことが分かります。

“渋谷センター街” 「嵐の前の静けさでなければ…」

毎年、ハロウィーンの時期に大勢の人が集まる、東京 渋谷区の渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長によりますと、ハロウィーン前日の、きょう、30日の人出は、例年と比べると半分程度に感じるということです。

この時期に、例年は見られる仮装した人もほとんど見られないということで、小野理事長は「嵐の前の静けさでなければいいと思っています。センター街にとってハロウィーンは、人が多すぎて店を閉めざるをえない状況になり、マイナスの面が多かった。新型コロナウイルスの感染予防から、街に来る人も減っていると思う。良識ある若者たちに期待したい」と話していました。

「自然発生的に集まって『密』注意」経済再生相

西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、マスクの着用や手洗い、消毒といった基本的な感染対策を徹底するよう求めました。

そのうえで「主催者がいない中で、自然発生的に集まって『密』になることも考えられるので注意してもらいたい」と述べ、密集を避け、大量に飲酒したり、大声を出したりすることは控えるよう呼びかけました。

また、室内でのパーティーなどについて「狭い場所に、たくさんの人が入ると、密閉した空間で密集し、密接な会話がなされることになる。広い、換気のいい場所で行うことが大事だ」と強調しました。