米大統領選 激戦州のフロリダで両候補がほぼ同じ時間に集会

来週のアメリカ大統領選挙を前にトランプ大統領と民主党のバイデン氏は、激戦州の南部フロリダ州でほぼ同じ時間に集会を開いて支持を呼びかけ、両候補が勝敗の行方を大きく左右する州で激しい争いを繰り広げています。

トランプ大統領は29日、激戦州の南部フロリダ州タンパで集会を開き、「私の地元に戻り、うれしい。フロリダでの選挙運動はとてもうまくいっている。フロリダで勝って、次の4年の任期を勝ち取ろう」と訴えました。

また、「日本の、当時の安倍総理大臣にアメリカに工場を作るよう求めたところ、彼はできないと言ったが、すぐに5つの大きな会社が進出を発表した」と述べ、みずからの成果だとアピールしました。

トランプ大統領がフロリダ州に入るのはこの2週間余りで4回目で、最も重視する州の1つと位置づけているものとみられます。
一方、民主党のバイデン氏は、ほぼ同じ時間にフロリダ州マイアミの近郊で集会を開き、トランプ大統領の新型コロナウイルス対策を批判しました。

そのうえで、「この選挙の勝敗はフロリダ州の皆さんにかかっている。フロリダで民主党が勝てば勝負はつく」と述べ、支持を訴えました。

フロリダ州は割り当てられた選挙人の数が29人と全米で3番目で、ほかの激戦州よりも多く、両候補の世論調査での支持率の差は1ポイント台と競り合っています。

両候補は、30日も中西部ウィスコンシン州など同じ州で遊説を行う予定で、選挙戦は最終盤に入り激しい争いとなっています。

トランプ大統領支持者 経済再開の正しさを高く評価

激戦州フロリダ州のタンパで行われたトランプ大統領の集会会場では、演説が始まる4時間以上も前から支持者が列を作っていました。

集会の参加者からは、今回発表されたGDPについて、トランプ大統領が進めた経済再開の正しさを示すものだとして、高く評価する声が相次ぎました。

地元に住む51歳の退役軍人の男性は、「トランプ大統領はパンデミックの被害を克服し、経済を元に戻せるという事実を示してくれました。大統領が国民に約束したことが、また実行されました」と話していました。

みずからも新型コロナウイルスに感染し、2か月かけて回復したという62歳の男性は「大事なのは外に出て経済活動を行うことで、車にひかれるかもしれないからと言って、外に出ないわけにはいきません。バイデン氏は47年間も政治家だけをやっていたので、どうやってビジネスをするのか分かっていません」と述べ、バイデン氏との違いを強調しました。

また、トランプ大統領の集会に参加するのは11回目だという女性は、「彼は約束したことを常に実行してくれます。バイデン氏は共産主義者で、国を閉鎖したいだけです。トランプ大統領は、アメリカ史上最大の勝利を収めるでしょう」と話していました。