ニトリHD 島忠へのTOBを発表 DCMとの買収合戦に発展へ

家具日用品大手のニトリホールディングスは、首都圏を中心にホームセンターなどを展開する島忠に対し、TOB=株式の公開買い付けを行うと発表しました。島忠に対しては、ホームセンター大手のDCMホールディングスもすでにTOBを実施していて、島忠をめぐる買収合戦に発展することになります。

発表によりますと、ニトリホールディングスは、ホームセンターなどを展開する島忠に対してTOBを実施します。

買い取り価格は1株当たり5500円で、ニトリはTOB成立後、島忠を完全子会社にするとしています。

ニトリは家具や日用品の販売店を全国で展開していますが、島忠を傘下に収めることで新たにホームセンターに参入し事業を拡大したいとしています。

一方で、島忠に対しては「ホーマック」や「カーマ」など全国に600以上の店舗を運営するDCMホールディングスが今月5日からTOBを実施しています。

ニトリは、今回のTOBを行う条件の1つとしてDCMによるTOBが不成立になることを挙げていて、来月中旬に買い付けを始めたいとしています。

島忠はすでにDCMのTOBに賛同する姿勢を示していますが、ニトリが示した島忠の株式の買い取り価格はDCMが示した価格を1300円上回っていて、今後、島忠をめぐる買収合戦に発展することになります。

似鳥会長「私たちの提案は友好的で魅力的」

ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は29日、都内で記者会見し、今回のTOBについて「ニトリと島忠の両社が共存共栄するために経営統合を申し入れ、その一環としてTOBを実施していく」と述べました。

また、似鳥会長は「ニトリはホームセンター事業に参入することをこれまでも検討していた。ホームセンターの島忠と家具を手がけるニトリには非常に高い事業シナジーがあり、私たちの提案は島忠の顧客や株主など、すべての人にとって友好的で魅力的な提案だと思っているので、私たちの提案を前向きに受け入れてほしい」と述べました。

さらに29日の時点で、まだ島忠側とは話し合っていないとしたうえで、「これから島忠側と直接会話をして、TOBを受け入れてもらえるよう、最大の努力はしていきたい」と述べ、今後、島忠側に説明を行い理解を得ていきたいという考えを示しました

島忠「誠実に協議して検討」

ニトリホールディングスが島忠に対してTOB=株式の公開買い付けを行うと発表したことについて、島忠は「今後、DCMホールディングスのほかニトリとも誠実に協議などを行い、当社の企業価値や株主共同の利益の観点から慎重に検討を行ったうえで、改めて当社の見解を公表する予定です」というコメントを発表しました。

会社の争奪戦は過去にも

1つの会社をめぐって複数の会社が争奪戦を繰り広げたケースは過去にもあります。

金融業界では2004年、当時の三菱東京フィナンシャル・グループが統合を目指して交渉していたUFJホールディングスに対し、三井住友フィナンシャルグループが割って入る形で統合交渉を申し入れました。

2大金融グループが真っ向から競い合う異例の展開となる中、UFJは最後まで三菱東京を統合相手とする姿勢を崩さず、今の三菱UFJフィナンシャル・グループの誕生につながりました。

最近ではドラッグストアの業界で同様の動きがありました。

去年、ココカラファインをめぐって、マツモトキヨシホールディングスとスギホールディングスが争奪戦を繰り広げました。

先に資本提携の協議を始めようとしていたのはマツモトキヨシでしたが、スギの提案を受け、ココカラファインはスギとも協議のテーブルにつくことを発表。

ココカラファインは社外のメンバーによる特別委員会を設置するなど、いわば両社をてんびんに掛けてメリットを検討した結果、軍配が上がったのはマツモトキヨシのほうでした。

マツモトキヨシとココカラファインは、来年10月をめどに経営統合する予定です。

DCM「予定どおりTOBの期限を待つ」

ニトリが島忠へのTOBを発表したことについて、島忠に対してすでにTOBを実施しているDCMホールディングスは「現時点でコメントすることはありません。当初の予定どおり、TOBの期限を待ちたい」としています。