企業年金利率 感染拡大影響で19年ぶりに引き下げ 第一生命

生命保険大手の「第一生命」は、企業から預かっている年金資金を運用する際の利率を19年ぶりに引き下げると正式に発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大で各国が金利を引き下げ、運用環境が厳しくなっていることが背景にあり、企業によっては従業員の年金の受け取り額を引き下げる対応などが必要になる可能性もあります。

生命保険会社は企業から年金資金を預かって運用していますが、このうち「第一生命」は、顧客の企業に約束している運用の利率、「予定利率」を、来年10月に今の1.25%から1ポイント下げて0.25%にすると正式に発表しました。

引き下げは19年ぶりだということです。

対象となるのは、公的な国民年金や厚生年金とは別に企業が私的に運用している年金のうち、将来の給付額を保証する「確定給付型」の年金です。

第一生命と契約している企業はおよそ3000社に上り企業の中には、今後、掛け金を積み増したり、従業員の年金の受け取り額を引き下げたりする対応などを迫られるところも出てくる可能性があります。

背景には新型コロナウイルスの感染拡大で各国の中央銀行が金融緩和に踏み切って金利を引き下げたため、運用環境が一段と難しくなっていることがあります。

今後、他の保険会社に同じような動きが広がり、多くの企業に影響が及ぶ可能性もあります。