コロナ対策専門家会議の議事録めぐり 東京のNPO法人が提訴

新型コロナウイルス対策が話し合われた、政府の専門家会議の議事録の情報公開を求めた東京のNPO法人が、発言者が分からない概要だけを公開されたのは不当だとして、裁判を起こしました。
裁判を通して議事録作成の在り方を問いたいとしています。

新型コロナウイルス対策が話し合われた専門家会議について政府は、行政文書の管理に関するガイドラインで、発言者や発言内容を記録するとしている会議にはあたらないとして、議事録を作成しませんでした。

東京のNPO法人「情報公開クリアリングハウス」が、議事録の情報公開請求をしたところ、国はことし8月、インターネットで公開しているものと全く同じ文書で、発言者の分からない「議事の概要」を公開したということです。

NPO法人は「行政文書のガイドラインで議事録とは発言者と発言内容が記載されたものだと、明確に決まっている。発言者が分からない議事の概要を公開されても文書が違い、不当だ」として、国の決定の取り消しを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

会見でNPO法人の三木由希子理事長は「議事録は、政府の政策決定が多くの人によって行われたことを記録として残すため重要だ。専門家会議だけの問題ではなく、国のほかの会議の議事録作成にも悪い影響を与える可能性があり、裁判を通して議事録を作成すべき対象を明確にしたい」と述べました。

内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策推進室」は「訴状が届いておらず、現時点ではコメントは差し控える」としています。