携帯電話料金値下げへ 「アクション・プラン」発表 総務省

総務省は携帯電話料金の値下げに向けて、契約先を乗り換える際、カードを差し替えが不要な「eSIM」と呼ばれる機能を普及させるなどの政策を取りまとめた「アクション・プラン」を発表しました。携帯電話会社がこのプランに対応することで値下げにつながるかが焦点となります。

総務省のアクション・プランは携帯電話料金の値下げに向けて各社の競争を促す政策を盛り込んでいます。

この中では「利用者にとってわかりやすく納得のできる料金・サービスの実現が必要」だとして、料金プランの変更や契約先を乗り換える手続きなどをわかりやすく解説する専用のホームページを年内に設けるとしています。

また、契約先の乗り換えをしやすくするため契約者の情報を書き込むSIMカードの機能を端末に内蔵させた「eSIM」の普及に向けて、来年の夏までに指針を策定するほか、キャリアメールと呼ばれる携帯電話会社のドメインのメールアドレスを乗り換え後もそのまま使えるようにする仕組みを検討するなどとしています。

総務省は今後、大手各社がプランに沿って取り組んでいるかを審査する方針で、料金の値下げにつながるかが焦点となります。

アクション・プラン詳細

総務省が発表した「アクション・プラン」の詳しい内容です。
プランでは3つの柱を掲げています。
1つ目の柱は「分かりやすく、納得感のある料金・サービスを実現する」です。

料金プランやサービスが複雑でわかりにくくならないよう
▼料金プランの変更や契約先を乗り換える手続きなどをわかりやすく解説する専用のホームページを年内に設けることを挙げています。
▼また、販売店が、端末価格に上乗せする手数料を「頭金」と表示するなどわかりにくい説明をしていないか、ほかの販売店では同じ端末でも価格が異なる場合があると周知しているか、なども確認するとしています。

2つ目の柱は、「事業者間の公正な競争を促進する」で、競争を通じて
多様で魅力的なサービスを生み出すとしています。

格安スマホ会社が
▼大手携帯電話会社に支払うデータ接続料を今年度から3年間で半分程度まで下げるほか、
▼音声通話の回線を借りる料金についてもさらなる引き下げに向けて検証するとしています。

そして3つ目の柱は「事業者間の乗り換えを円滑化する」で、これまで以上に契約先の会社の乗り換えをしやすくするとしています。

▼契約者の情報を書き込むSIMカードの機能を端末に内蔵させた「eSIM」の普及に向けて来年の夏までに指針を策定するほか、
▼キャリアメールと呼ばれる携帯電話会社のドメインのメールアドレスを
乗り換え後もそのまま使えるようにする仕組みを検討するなどとしています。
▼また乗り換える際の手数料は、来年4月からネットで手続きすれば無料になります。

総務省としては今回のプランを通じて利用者がよりよいサービスでより安い料金プランを持つ携帯電話会社を選ぶようになれば、携帯電話会社側も
なんとか利用者を増やそうとサービスの質をさらに上げたり料金を安くしたりするのではないか、とみています。

総務省は携帯大手各社に電波を割り当てる際にこれらのプランに沿った取り組みを行っているかどうかを審査するとともに、各社の競争が公正かどうかを毎年検証し、必要に応じて取り組みの見直しや追加の対策を取りまとめるとしています。

携帯電話の契約数シェア

総務省の調査によりますと、携帯電話の契約数の事業者別のシェアは、ことし6月末の時点でNTTドコモが37%、auを手がけるKDDIが27%、ソフトバンクが21%となっています。

武田総務相「健全なマーケット構築される」

武田総務大臣は閣議のあとの会見で「格安スマホが存在するのに乗り換え手続きが複雑で、自由に乗り換えられなかった部分を解消することで健全なマーケットが構築されると思う。料金水準が国際水準に近くなっていくと期待している」と述べました。

官房長官「積極的に検討を」

加藤官房長官は、午後の記者会見で、「国民の関心が高く、目に見える形で値下げが行われることが重要であり、総務省には、このアクションプランに沿って事業者間の健全な競争がはたらく環境整備を進めてもらいたい。携帯電話各社には、国際的な料金水準なども参考にしながら、料金の低廉化に向けて、積極的に検討を進めていただくことを期待したい」と述べました。

ドコモ「必要な対応を検討」

総務省が取りまとめた「アクション・プラン」についてNTTドコモは「利用者にとってわかりやすく納得のできる料金・サービスの実現や公正な競争環境の確保に向けて今後取り組む方向性を示したものと認識している。今後必要な対応を検討し、eSIMの促進などの検討が行われる際には、議論に参加したうえで当社としての考えを示したい」というコメントを出しました。

専門家「料金大幅に下がる傾向となるのでは」

総務省がまとめたアクション・プランについて通信業界に詳しいMM総研の横田英明研究部長は「通信事業の競争環境を公平なものにしていくプランで、盛りだくさんである分、効果も期待できると思う。これまでは他社に乗り換えるときに手数料などの問題もあってユーザーは動かず、同じ通信事業者との契約を長く続ける傾向が強かった。その壁が低くなり、ユーザーにとっては乗り換えやすい環境が生まれたことになる」と評価しています。

そのうえで横田研究部長は「通信事業者としては、ユーザーをつなぎ止めるためにより魅力的なプランを互いにけん制し合いながら打ち出さなければならないだろう。長い目でみれば携帯電話料金は大幅に下がる傾向となっていくのではないか」と指摘しました。