イスラム圏でフランスへの反発広がる マクロン大統領発言受け

フランスでイスラム教の預言者の風刺画を生徒に見せた教員が殺害された事件を巡り、マクロン大統領が表現の自由を守るなどと発言したことを受け、中東やアジアのイスラム圏ではフランス製品の不買運動や抗議デモが相次ぎ、反発が広がっています。

フランスでは10月、イスラム教の預言者の風刺画を生徒に見せた教員が男に殺害され、これに対してマクロン大統領は「風刺画を見せる自由をあきらめない」と述べ、表現の自由を守る姿勢を示しています。

ただ、イスラム教では、預言者を風刺画などで表現することは教えに反するとされており、イスラム圏では、マクロン大統領の発言はイスラム教への冒とくを容認したとする受け止めが出ています。

トルコのエルドアン大統領は26日、「マクロン大統領が主導する反イスラム政策とヘイト・キャンペーンを止めさせるべきだ」と批判し、国民にフランス製品の購入を控えるよう呼びかけました。

また、ヨルダンでもフランス製品の不買運動が呼びかけられ、首都アンマンのスーパーマーケットでは一部の商品が撤去されたほか、イラクでは、首都バグダッドにあるフランス大使館の近くで抗議デモが行われ、参加者がフランスの国旗やマクロン大統領の似顔絵を燃やすなどしました。

さらに、パキスタンの外務省もフランス大使を呼んで、抗議したことを明らかにしました。

インターネット上では、イスラム圏でのさらなる不買運動が呼びかけられていて、マクロン大統領の言動に反発が広がっています。

中東 アラブ諸国 抗議デモや不買運動

中東のアラブ諸国でも、フランスのマクロン大統領のイスラム教に関する言動に批判が高まっていて、抗議デモやフランス製品の不買運動などの反発の動きが出ています。

このうちイラクでは、首都バグダッドにあるフランス大使館の近くで26日、抗議デモが行われ、参加者がフランスの国旗やマクロン大統領の似顔絵を燃やすなどして、抗議の声をあげました。

またヨルダンでは、インターネット上でフランス製品の不買運動が呼びかけられました。

首都アンマンにあるスーパーマーケットではフランス製品が置かれた棚がシートで覆われた上、ボイコットを示す貼り紙が貼られたり店員がフランス製品を取り除いたりしていました。

トルコ エルドアン大統領「フランス製品を買うな」

トルコのエルドアン大統領は26日、演説でヨーロッパの指導者に対し、「マクロン大統領が主導する反イスラム政策とヘイト・キャンペーンを止めさせるべきだ」と呼びかけ、改めて名指しでマクロン大統領を批判しました。

そのうえでエルドアン大統領は「私は全国民に対し、フランス製品を買うなと呼びかける」と述べ、フランス製品をボイコットするよう訴えました。

イスラム教の価値観を重視した政権運営を推進するエルドアン大統領は、イスラム教やその信者を軽視しているとも受け止められる言動に対してこれまでも、歯に衣着せぬ批判を行い、欧米などとの間でたびたびあつれきを生んできました。

パキスタン外務省 フランス大使に強く抗議

イスラム教徒が人口の多数を占めるパキスタンの外務省は、フランスのマクロン大統領のイスラム教に関する言動など一連の対応を非難する声明を発表し、パキスタンに駐在するフランスの大使を呼んで強く抗議しました。

パキスタン外務省は、声明の中で、「フランス側の発言や行動は、表現の自由のもとでもイスラム教徒の感情を著しく害するもので認めることはできない」としたうえで、「挑発的な行為で、異なる宗教の間に憎しみや敵意、そして、対立を助長するものだ。一連の言動は、人々の間に分断をさらにもたらすだろう」と述べ、フラスン政府の一連の対応を非難しました。

パキスタン国内では、これまでのところフランス政府に対するデモや集会は起きていませんが、ネット上では一時、フランス製品の不買運動が呼びかけられるなど波紋が広がっています。

フランスのイスラム教団体「理性的になれ 中傷は逆効果」

フランス国内のイスラム教徒を代表する組織「フランス・イスラム教評議会」のトップは26日、AFP通信の取材に対し「フランスでイスラム教徒は迫害されていない。自由にモスクを建設でき自由に宗教を実践できる」と強調しました。

そのうえで不買運動について「キャンペーンを呼びかけている者がイスラム教や、フランスのイスラム教徒を守れと言っているのは知っている。私は彼らに理性的になれと言いたい。フランスへのこうした中傷は逆効果で分断をつくるだけだ」と訴えました。