キヤノンと日本電産 コロナ影響も今期の業績予想を上方修正

大手精密機器メーカーのキヤノン、それに大手電子部品メーカーの日本電産が、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ世界経済に持ち直しの兆しが見られるなどとして、今期1年間の業績予想を上方修正しました。

キヤノンは26日、先月までの9か月間のグループ全体の決算を発表しました。

売り上げは前の年の同じ時期と比べて16.1%減少し、2兆2145億円。

最終的な利益は67.8%減少し、297億円でした。

ただ、中間決算と比べると減少幅は縮小し、先月までの3か月間は、各国で経済活動の再開が進み、複合機などの売り上げが回復してきたとしています。

これにともなって、ことし1年間の最終的な利益の見通しを520億円と、これまでより90億円、上方修正しました。

また、日本電産が発表した先月までの半年間の決算は、売り上げが7517億円と前の年の同じ時期より0.1%増加し、営業利益が691億円と12%増加しました。

新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ自動車向けの部品の需要が回復してきたほか、ノートパソコンに使われるモーターの販売が伸びたということです。

これに伴って今年度の売り上げの見通しも過去最高の1兆5500億円に上方修正し、大手の製造業の業績に持ち直しの兆しが出ています。

日本電産 永守会長「技術革新が起きている」

オンラインで説明会を開いた永守重信会長は「自動車向けの事業はさらに改善が進むと見ている。新型コロナウイルスに対応するために技術革新が起きていて、変化に追随して、求められる製品を作ることができる企業が生き残るだろう」と述べました。