新型コロナ感染再拡大 イタリア・スペインで規制強化相次ぐ

新型コロナウイルスの感染が再び拡大しているヨーロッパではイタリアが飲食店の営業を午後6時までに制限するほか、スペインは非常事態を宣言して夜間の外出を禁止するなど、規制の強化が相次いでいます。

イタリアでは25日、1日あたりの新たな感染者が2万人を超えてこれまでで最も多くなり、記者会見したコンテ首相は、医療現場への負担が懸念すべき状況にあるとして、飲食店の営業を原則として午後6時までに制限するほか、スポーツ施設や映画館などを閉鎖すると発表しました。

規制は26日から来月24日までで、コンテ首相は「新たな規制を11月の間、守れば感染を抑えられる。クリスマスの休暇を平穏に過ごせるようになる」と訴えて協力を呼びかけました。

首都ローマでレストランを経営する男性は「飲食業で最も重要な夜の営業ができなくなる。大きな犠牲になる」と不満を示した一方、20代の男性は「全面的な外出制限になるよりもよいので受け入れる」と話していました。

また、スペインでは、サンチェス首相が25日、一部の離島を除く、ほぼ全土に非常事態を宣言すると発表しました。

これに伴って25日から、午後11時から午前6時までの夜間の外出が禁止され、地方の州政府の判断しだいでは、開始と終了の時間を1時間前後させることができます。

また、自治体をまたぐ移動の制限などの厳しい規制を実施する権限が州政府に与えられました。

非常事態宣言は来月9日までの予定ですが、サンチェス首相は、議会下院の承認を得たうえで来年5月まで継続させたいとしていて、記者会見で、「スペインは、最も深刻な公衆衛生上の危機にある」と述べ国民に理解を求めました。