「合宿免許」 来月以降「Go Toトラベル」の対象外に

観光需要の喚起策「Go Toトラベル」をめぐり観光庁は運転免許の合宿ツアーを来月以降、対象から除外することを決めたことがわかりました。

自動車の運転免許を合宿で取得するツアーは、「Go Toトラベル」の対象として割り引きなどが受けられ、大学生を中心に人気を集めています。

関係者によりますと、観光庁はこの合宿免許のツアーについて、来月以降は「Go Toトラベル」の対象から除外することを決めました。

合宿免許については合宿先の地域の消費を喚起するものとして対象とされていましたが、急きょ方針を転換したことについて観光庁は事務局を通じて旅行会社などに対して、「免許の取得を明確な目的としており、旅行需要を喚起するという事業の趣旨に沿ったものとは言い難い」などと説明しています。

そのうえで、免許の講習費用と宿泊などの旅行代金を明確に区分したツアーに限って、旅行代金のみを割り引きなどの対象にするとしています。

合宿免許をめぐっては、ツアーを手がける旅行会社や提携先のホテルなどからGo Toトラベルによる効果を期待する声が出ていたことから、旅行会社や利用者の間で混乱が広がることも予想されます。

旅行会社「なぜ急に方針転換 理解しがたい」

合宿免許のツアーを手がけてきた福岡市の旅行会社は急きょ、方針が変わったことについて「理解しがたい」と話しています。

福岡市中央区にある旅行会社「アドツーリスト」は、観光需要が回復しないなか、「Go Toトラベル」が開始されたあと、合宿免許のツアーを新たに始めました。

大学生を中心に問い合わせが殺到し、これまでにおよそ400人ほどが申し込みがあったということです。

また、ツアーでは、特に観光地から距離があり宿泊客が回復していない規模の小さなホテルから事業の効果を期待する声が出ていたということです。

旅行会社の担当者は「対象外にするという突然の連絡にショックを受けています。観光庁にも何度も連絡して、『問題がない』ということを確認してツアーを始めたのに、なぜ急に方針が転換されたのか理解しがたいです。すでに発注したチラシなどがむだになると思うと、残念で仕方ないです」と話していました。