「三菱スペースジェット」開発費さらに削減 納入不透明な状況

国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」について、三菱重工業は開発費をさらに削減する方針を固めました。「2021年度以降」としている初号機の納入の見通しが一層不透明な状況になっています。

関係者によりますと、スペースジェットの開発を進めている三菱航空機の親会社の三菱重工業は、開発費を来年度以降、さらに削減する方針を固めました。

すでに今年度の開発費を従来の半分程度に減らすなど開発体制を大幅に縮小していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長引き航空機需要の回復が見通せないほか、アメリカでの飛行試験も中断を余儀なくされています。

このため三菱重工業は、機体の安全性を証明する「型式証明」の取得に向けた作業は続けるものの、来年度以降の開発費を一段と削減する方針で、来週発表する中長期の経営計画に合わせて明らかにすることにしています。

これによって、「2021年度以降」としている初号機の納入の見通しも一層不透明な状況になりました。

スペースジェットは国産初のジェット旅客機で、日本の航空機産業を育成するプロジェクトとして大きな期待が寄せられてきましたが、開発の途上で厳しい事態に追い込まれる形になりました。

三菱重工「さまざまな可能性を検討しているのは事実」

スペースジェットの開発を進めている三菱航空機の親会社の三菱重工業は、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響も踏まえ、引き続き開発スケジュールの精査を行うとともに当社グループを取り巻く厳しい状況を考慮した適正な規模の予算で開発を推進しております。こうした中でさまざまな可能性を検討していることは事実ですが開発の凍結を決定した事実はありません」というコメントを発表しました。

梶山経済産業相「関係者の尽力に期待」

三菱重工業が「三菱スペースジェット」の開発費をさらに削減する方針を固めたことについて、梶山経済産業大臣は、23日の閣議の後の記者会見で「三菱重工業がグループ全体の厳しい状況を考慮した適正な規模で開発を推進し、新型コロナウイルスによる深刻な状況を踏まえ、スケジュールの精査を行っていると承知している」と述べました。

そのうえで「YSー11以来、半世紀ぶりの国産の旅客機事業として重要なプロジェクトであり、引き続き、関係者の尽力に期待をしたい」と述べました。