アメリカ大統領選 最後の直接対決 テレビ討論会まもなく

11月3日に迫ったアメリカ大統領選挙に向けて、トランプ大統領と野党・民主党のバイデン氏の最後の直接対決となるテレビ討論会がこのあと日本時間の午前10時から行われます。世論調査でバイデン氏にリードされるトランプ大統領が巻き返しへのきっかけをつかむのかが焦点です。

トランプ大統領と民主党のバイデン氏による最後のテレビ討論会はこのあと、日本時間の午前10時から、南部テネシー州で行われます。

9月行われた討論会では、トランプ大統領が何度もバイデン氏の発言を遮るなど、議論が進まない事態に陥ったことを受けて、今回は各議題の冒頭、両候補にそれぞれ与えられる2分間の発言中は相手候補のマイクの音声を切る異例の措置が取られます。
これについて、バイデン氏は、「前回、トランプ大統領は司会者と私を148回にわたって遮った。今回も個人攻撃を仕掛けてくるだろう」と述べているほか、ここ数日は目立った選挙活動を行わず、討論会の準備に専念しています。

一方、世論調査でリードされるトランプ大統領は連日、大規模な集会を開いて懸命に支持を呼びかけていて、討論会で最終盤の巻き返しへのきっかけをつかみたい考えです。

投票日まで10日余りとなるなか、最後の直接対決となる今回の討論会では、新型コロナウイルス対策や安全保障など6つのテーマで激しい議論が交わされることになっています。

異例の事態が相次いだテレビ討論会

アメリカ大統領選挙のテレビ討論会は候補者どうしが直接意見を戦わせ、選挙戦にも大きな影響を与えるとして重視されていますが、ことしは異例の事態が相次いでいます。

9月29日の1回目の討論会では、トランプ大統領が民主党のバイデン氏の発言を何度も遮って持論を展開したのに対し、バイデン氏も激しく言い返したり発言に割り込んだりして、非難や中傷の応酬となりました。

その結果、討論会はたびたび中断する事態に陥って議論は深まらず、アメリカのメディアからは「これまでで最もひどい討論会だった」などと酷評されました。

これを受けて主催団体は22日の最後の討論会では、各議題の冒頭、両者に与えられる2分間の発言中は相手のマイクの音声を切る異例の措置をとることを決めました。

また討論会は本来、3回行われるのが通例ですが、今回は10月15日に予定されていた2回目が急きょ中止となりました。

きっかけとなったのはトランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染で、これを受けて主催団体がオンライン形式での開催を発表したのに対し、トランプ大統領が反対して対面での実施を求め、これにバイデン陣営が強く反発した結果、開催のめどがたたなくなりました。

両者は2回目の討論会のかわりに、それぞれ別の場所で別のテレビ局主催の対話集会に参加し、持論を展開しましたが、この時の視聴率ではバイデン氏に軍配が上がったと伝えられています。

専門家「自分の支持者に投票念押し効果を」

今回のテレビ討論会の両候補の狙いについて、南部テネシー州にあるベルモント大学のネイサン・グリフィス准教授は、「両候補ともに態度を決めかねている人を取り込むことはもちろん望んでいるだろうが、ほとんどの人はすでに態度を決めている。今回の討論会は、むしろ、態度を決めている自分の支持者に実際に投票にいってもらうよう念押しする効果を狙っている」と述べ、新たな支持者の掘り起こしというよりは、支持者に投票に行ってもらうよう呼びかけることではないかと指摘しています。

その上で、討論会では前回、たびたび議論が遮られたことで発言中は相手のマイクの音声を切る措置がとられることについて、「少しは改善されたとしても、そこまで前回とは変わらないのではないか。特にトランプ大統領は自分の支持者に向けて呼びかけるために、強い言葉で相手を圧倒しようとするだろう」と述べ、再び、非難の応酬につながる可能性もあるとしています。

期日前投票は全米で4710万人

AP通信によりますと、22日の時点で、郵便投票を含む期日前投票を行った有権者は全米で4710万人となり、これは前回の大統領選挙で期日前投票を行った人全体の80%にあたるということです。

このうち、南部バージニア州では、前回の大統領選挙と比べて期日前投票を行った人が倍以上増えていて、22日も投票所を訪れる人があとを絶ちませんでした。

投票を終えた男性は「1回目のテレビ討論会を見れば、どちらの候補が良いかわかる。自分の決心は固い」と話していました。

また、学校の先生だという女性は「今夜の討論会でも私の決心は変わらない」と話していました。

トランプ大統領 インタビューに不満で放送前に投稿

トランプ大統領は22日、アメリカメディアとのインタビューの様子を写したおよそ40分間の映像を、放送の前にフェイスブックに投稿しました。

投稿したのは、CBSテレビの看板番組「60ミニッツ」で、25日に放送するために収録したインタビューで、トランプ大統領は、「内容が偏向していた」と不満を示し、CBSの放送より前にみずから公表することも辞さない考えを示していました。

映像の中でトランプ大統領は、新型コロナウイルス対策に関する質問などに対して、「公平にすべきだ。バイデン氏には厳しい質問をしないのに」といらだった様子を見せ、最後には、「もう十分だろう」と述べてインタビューを打ち切りました。

放送前のインタビューをトランプ大統領が公表したことについて、CBSは「約束を無視するという前例のない決定によって我々の公正な報道が妨げられることはない」などとする声明を出し、批判しました。

一方、トランプ大統領は、「CBSの偏向し、無礼な様を見るがいい。今夜の討論会の司会者はもっとひどい」などと主張し、日本時間の23日午前行われるテレビ討論会を前に、司会を務める別のテレビ局の記者にも言及してメディアへの不信感をあらわにしました。