中国 バチカンとの司教任命暫定合意をさらに2年間延長

中国でのカトリック教会の司教の任命方法について、中国政府は、ローマ・カトリック教会の中心地バチカンとおととし結んだ暫定合意をさらに2年間延長することを決め、現在は外交関係のない中国とバチカンとの関係がさらに深まっていくことも予想されます。

中国でのカトリック教会をめぐって、中国政府は、ローマ教皇による司教の任命は内政干渉だとしてこれを拒否してきたため、政府公認の教会と教皇に忠誠を誓ういわゆる地下教会が対立してきました。

こうしたなか、中国とバチカンは、おととし司教の任命方法について、暫定合意を行いました。

合意の内容は明らかにされていませんが、双方が、司教の任命に関与できる内容とみられます。
この合意の期限を迎えた22日、中国外務省の趙立堅報道官は記者会見で、双方が合意をさらに2年間延長することを決めたと明らかにしました。

そのうえで「双方は引き続き密接な意思疎通と協議を続け、関係改善を図っていく」と述べました。

暫定合意をめぐっては、宗教への介入を強める中国に譲歩しているとして批判が出ていて、アメリカのポンペイオ国務長官は先月、「バチカンが合意を延長すれば道徳的な権威というみずからの立場を危うくする」と批判していました。

今回の延長によって、現在は外交関係のない中国とバチカンとの関係がさらに深まっていくことも予想されます。

専門家「アジアでの布教で中国は戦略的に重要」

中国とバチカンの関係に詳しい、イタリアのサクロクオーレ・カトリック大学のジョバニョーリ教授は22日、NHKのインタビューに応じ、批判がありながらも、バチカンが暫定合意を延長した理由について、中国の重要性をあげています。

この中で「カトリック教会の歴史で、ヨーロッパやアメリカ、アフリカでは布教が進んできたが、アジアでは、信者は増えてこなかった」と指摘したうえで、「中国は、アジアでの布教という面で、戦略的に極めて重要だ」と述べました。

そのうえで「暫定合意の根本的な目的は、中国国内のカトリック信者の環境を改善することだ。それによって布教を進められる」と指摘しています。

また、台湾と外交関係を維持しているバチカンと、中国が今後外交関係を結ぶかどうかについては「双方とも具体的な課題の解決を優先していて、外交関係の樹立を急いではいない」と指摘し、最終的な目標だとしながらも、すぐに実現はしないという見通しを示しています。