全日空“羽田優先” 成田空港社長「ネットワーク維持努める」

新型コロナウイルスの影響で、全日空が羽田や成田など4つの空港で、減便や休止している国際線を今後、再開する場合は羽田空港を優先させる方針を固めたことについて、成田空港会社の田村明比古社長は「全日空から聞いていることはない」としたうえで、空港使用料の減免措置などを行って、航空ネットワークの維持に取り組む考えを示しました。

新型コロナウイルスの影響で、国際線の利用者の回復がすぐには見込めない中、全日空は羽田、成田、関西、中部の4つの空港で、減便や休止している国際線を今後、需要が回復して再開する場合は、羽田空港を優先させる方針を固めました。

これについて成田空港会社の田村明比古社長は22日の記者会見で「全日空から聞いていることはなく、状況を注視していきたい」と述べました。

そのうえで田村社長は「国際線の大規模な運休が続く中、安心して往来できる環境作りを足元で進めて、ネットワークの維持に最大限努めていく」と述べ、空港使用料の減免措置などを行って成田空港の航空ネットワークの維持に取り組む考えを示しました。

成田空港では全日空の国際線の発着回数は昨年度、およそ2万8400回と乗り入れている航空会社の中で最も多く、国際線全体のおよそ15%を占めています。

千葉 森田知事「成田も表玄関 バランス考えて」

新型コロナウイルスの影響で、全日空が羽田や成田など4つの空港で減便や休止している国際線を今後再開する場合、羽田空港を優先させる方針を固めたことについて、成田空港のある千葉県の森田知事は、22日の記者会見で、現在の航空業界の厳しい経営状況に理解を示す一方、「成田と羽田のいいところを組み合わせることで、日本の表玄関を担っているという自負心がある。バランスを考えてほしい」と述べ、慎重な対応を求めました。

そのうえで「これは一企業、また、千葉と東京だけの問題ではない」と述べて、今後、千葉県として成田空港の重要性を訴えていく考えを示しました。