新型コロナ検査 インフル流行で検査能力の最大7.5倍 都の試算

東京都内でインフルエンザが流行した場合、1日で必要となる新型コロナウイルスの検査は、現在の検査能力の最大7.5倍に上ることが都の試算で分かりました。専門家は「限られた検査をどのように効果的に行うのか議論しておくことが重要だ」と話しています。

新型コロナウイルスと同時に、インフルエンザが流行して発熱患者が急増した場合、どちらに感染しているか判断するために、新型コロナウイルスの検査が今以上に必要になるおそれがあると見られています。

これについて都は国の求めに応じて、必要な検査数を試算しました。

それによりますと、インフルエンザが例年通り流行した場合、ピーク時では1日当たり最大で6万5000件余りの検査が新たに必要となる見通しです。

新型コロナウイルスの感染が続いた場合の検査と合わせると、ピーク時には1日当たり最大で7万6000件余りに上る可能性があり、これは都内の現在の検査能力の7.5倍に当たります。

都内では、21日までに都が確認したインフルエンザの患者は2人で、まだ流行していませんが、都は今後、検査能力の強化を図る考えです。

日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は、「インフルエンザが流行するかどうか分からないが、最悪のシナリオを考えておく必要がある。限られた検査をどのように効果的に行うのか行政と現場の医師が議論しておくことが重要だ」と話しています。

東京都 これまでの検査拡充と今後

都内の新型コロナウイルスの検査能力は、ことし4月末時点では1日当たり最大でおよそ3100件でした。

都は1日1万件を目標に、民間の検査機関に機器の導入支援などを行い、現在は、およそ1万200件を確保しています。

ただ確保したのは、ほとんどがPCR検査で、短時間で結果が出る簡易キットを使った抗原検査の処理能力については、把握できていません。

このため都は、抗原検査も含めた能力がどれくらいあるかを調べたうえで、PCR検査だけでなく、抗原検査も活用するなどして検査体制を拡充し、今月中に新たな計画としてまとめることにしています。

東京都は「国にも支援を求めて、できるだけ検査能力を高めるとともに、限られた検査の活用について医師会とも話し合いを進めていく」としています。

日本感染症学会理事長「冷静な対応が重要」

日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は「7万6000件という数字は、インフルエンザなのか新型コロナウイルスなのかが全く判断できず、両方の検査を行うという考えのもとで出されたと思う。実際の現場では、症状によってある程度わかり、検査の優先度をつけることができるのではないか。ただ、判断が難しい症例もあり最悪のシナリオを考えておくのは大事だ」と話しています。

そのうえで「以前と比べて検査方法は充実してきている。検査のキャパシティーをできるだけ増やすとともに重症化するリスクの高い人や濃厚接触者を優先するなど、限られた検査をどのように効果的に行うのか、医師と行政などが連携して決してパニックになることなく、冷静に対応していくことが重要だ」と話しています。

また、この冬、インフルエンザが流行するかどうかはわからないとしたうえで「新型コロナウイルスもインフルエンザも飛まつ防止対策や、手や指の消毒、マスクの着用などを徹底すると効果的に抑制できることが明らかになっている。決して油断することがないようしっかり対策をとる必要がある」と話しています。