ロシア 2例目の新型コロナワクチン承認 早期承認に懸念の声

ロシアのプーチン大統領は、ロシア政府として2例目となる新型コロナウイルスのワクチンの承認を行ったと明らかにしました。各国に先駆けた開発の進展を誇示したいねらいとみられますが、十分な臨床試験を終えておらず国内の専門家からも早期の承認に懸念の声が上がっています。
ロシアのプーチン大統領は14日、政府のオンライン会議で国立ウイルス学・生物工学研究センターが開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認したと明らかにしました。

ロシア政府によるワクチンの承認は8月の「スプートニクV」に続く2例目で、プーチン大統領は「喜ばしいニュースだ」と述べました。

また、プーチン大統領は「スプートニクV」の外国への提供を進める考えを強調し、各国に先駆けた開発の進展を誇示したいねらいとみられます。

ただ「スプートニクV」は現在も臨床試験が続いていて、今回、承認されたワクチンも3段階の臨床試験の2段階までしか終了していません。

このため国立モスクワ第1医科大学のズベレフ教授はNHKの取材に「なぜここまで急がなければならないのか」と述べるなど、国内の専門家からも早期の承認に懸念の声が上がっています。