粗鋼生産量 半世紀ぶりの低水準へ 新型コロナによる景気低迷で

粗鋼生産量 半世紀ぶりの低水準へ 新型コロナによる景気低迷で
鉄鋼製品のもとになる「粗鋼」のことし1年間の生産量は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で自動車など幅広い産業で生産が落ち込んでいることからおよそ半世紀ぶりの低い水準にとどまる見通しとなりました。
経済産業省によりますとことし1月から9月までの実績に今後3か月の需要を加味したことし1年間の粗鋼の生産量は、去年を17.2%下回り、8217万トンになる見通しです。

新型コロナウイルスの影響で自動車などの生産や、ホテルや商業施設などの建設が落ち込んだことが要因で、8753万トンだったリーマンショック直後の2009年の生産量を下回り、1969年以来、51年ぶりの低い水準にとどまる見通しです。

粗鋼は、自動車や建築用の鉄鋼製品に加工されて幅広い産業で使われるため、その生産量は景気の動向と密接に関連していると言われています。

今回の落ち込みも新型コロナウイルスの感染拡大による歴史的な景気の低迷が反映された形です。

経済産業省は「足元では自動車などの生産が戻りつつあるものの、世界的には感染の収束が見通せず、鉄鋼需要の先行きは不透明な状況だ」としています。