テレワーク 8割が満足も職場や人間関係など課題指摘する声も

テレワーク 8割が満足も職場や人間関係など課題指摘する声も
新型コロナウイルスの影響で広がるいわゆる「テレワーク」について企業の社員に尋ねたところ、8割が満足しているものの、職場の状況が分かりにくいことや人間関係を深めるのが難しいことなどに課題を感じている実態が、筑波大学の研究グループが行った調査で分かりました。
この調査は、社会心理学などの研究者で作る「筑波大学働く人への心理支援開発研究センター」がことし8月から9月にかけて17の企業の社員を対象に行い、4300人余りから有効回答を得ました。

オンラインでの会議について尋ねたところ、新型コロナウイルスの流行前は「月に1回程度」かそれより少ない人が60%を占めましたが、流行後は、「1日に数回」または「1日1回程度」が合わせて半数近くに増えました。

オンライン会議などを活用する「テレワーク」の導入については、「非常に満足している」「満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた人が合わせて80%に上りました。
職場や仕事がどう変わったか、あてはまる項目を聞いたところ、
▽「通勤がなくなり、プライベートの時間が多く取れるようになった」、
▽「コミュニケーションツールの活用が進み、効率がよくなった」、
▽「職場全体がむだな業務を省くようになった」などと答える人が多くいました。

この一方で、
▽「職場や同僚の状況や様子が分かりにくくなった」、
▽「業務以外の情報交換が少なくなった」、
▽「新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった」などの課題を指摘する声も多くなりました。

調査したグループは、長期化すれば、組織の一体感や、人との交流から生まれる創造性が損なわれるおそれがあると指摘しています。

筑波大学の藤桂准教授は「リーダーがあえて業務以外の会話を取り入れたり、個々のメンバーが取り組むことを全体で共有したりするなど、オンラインと対面のそれぞれのよさを最大限に生かす工夫が求められる」と話しています。